コンビニ大手のローソンは、仮想化ストレージで社内基盤システムを3カ月で刷新。約25%のストレージコストを削減しながら、社内プライベートクラウドを大きく進展させたという。EMCジャパンが2月24日に明らかにした。
ローソンのシステムは、顧客をはじめ加盟店オーナー、サプライチェーンベンダー、本部スタッフなど多様なユーザーが利用している。以前、これらのシステムは各利用者向けに個別最適されている形だったが、同社では2007年に各システムを統合化すべく統合基盤構想を打ち出した。
統合基盤構想に沿って、システム基盤の統合化、全体最適化、オープン化、柔軟性などの改善が重ねられ、2013年秋にはプライベートクラウドを視野にストレージ基盤刷新の検討を開始した。
新たなストレージ基盤として採用されたのは、仮想化向けストレージ「EMC VPLEX」と中堅中小企業向けストレージ「EMC VNX5800/5200」、重複排除バックアップ製品「EMC Data Domain 2500/160」。複数企業の提案を比較検討した結果、ストレージを軸に成長し、数多くの実績を伴うビジョンやビジネスの広がりの可能性を高く評価し、EMC製品を選択したと説明する。
新しいストレージ仮想基盤には2014年9月に業務単位で移行した。システム移行時には、1~2時間のシステム停止時間のみで対応し、店舗システム業務に影響を与えることなく移行したという。ローソンでは、今回確立したストレージ仮想基盤とシステム移行方式について、今後も最新のテクノロジ導入による経営への貢献を最小の業務影響で進めていく手法として期待しているとしている。
既存システムをそのまま使い続ける仮定での試算と比較すると、今回の刷新で5年間の総ストレージコストが約25%削減され、削減できた予算は新たなビジネス開発に投資していくとしている。同社では将来的にパブリッククラウドの導入も視野に入れており、プライベートとパブリックを融合したハイブリッドクラウド化でビジネス成長に貢献するITシステム基盤の構築と運用を目指すという。