Tim Cookが最高執行責任者(COO)時代から中国に何度も足を運び、China Mobileなどと根気強く交渉を重ねてきたこと、その積み重ねが奏功して現在の結果につながっていることは改めて言うまでもない(前四半期にはiPhone販売台数全体の約3分の1が中国でのものだったという見方もある)。1月下旬には、Apple Storeの店舗数を2倍以上に増やす計画があるという話も出ていた(2014年末に15店舗だったものを2016年中に40店舗まで持っていく計画があるらしい)。
それだけの重要な市場、しかも中国のような巨大な市場なら「専用のバージョンを用意して…」という考えも一瞬頭に浮かぶが、ネットに接続する端末のセキュリティが絡むとなるとそんな対処方法、比較的簡単そうなやり方でコトが片付くのかどうか……。
ただ、そうした面倒な法制化などそもそもすっ飛ばして、いろいろと情報集めをやって来ていた米英の情報機関(米国家安全保障局=NSA、英政府通信本部=GCHQ)のことも考えあわせれば、米中とも「五十歩百歩」、明文化してやるだけまだ中国の方がマシ、といった見方もできるかもしれない(NSAとGCHQに関しては、SIMカードの暗号キーを盗み出そうとしていた、といった話も明らかにされていた)。
この中国での動きに触れたGigaOM記事には、「もし中国政府と米英政府とが意見の一致をみられる事柄があるとすれば、それはIT企業が暗号化技術を使ってユーザーの通信内容を隠せるようにすべきではないという点」との指摘がある。
If there's one thing both China, the U.S. and the U.K. can all agree upon, however, is that companies should not be using encrypted technology to mask user communications.
「どの国のどの政府組織に対してもバックドア(情報の裏口)を設ける協力をしたことはありません。Appleのサーバへのアクセスを許容したこともなく、今後も決して許容しません」と公約しているAppleに対して、これからいろいろな場所でさらに風当たりが強まりそうだ、などというとちょっと邪推が過ぎるだろうか。
(敬称略)
- 【参照情報】
- At a Brooklyn Cherry Factory, a Suicide and an Illicit Discovery
- Secret Marijuana Farm Beneath Brooklyn Cherry Factory Leaves Many Mysteries
- This is the saddest small business story ever
- Cherry king's secret pot farm likely made millions: expert
- Apple boss: We have a human right to privacy
- Spies should be able to monitor all online messaging, says David Cameron
- Tim Cook remembers Nazis' victims at Israeli Holocaust museum
- China draft counterterror law strikes fear in foreign tech firms
- Exclusive: Obama sharply criticizes China's plans for new technology rules
- iPhone snags top spot in China for first time, says research firm
- Apple China Expansion Seeks Retail Hires in Five New Cities
- Proposed Chinese security law could mean tough rules for tech companies