戸田建設は、私物のスマートフォンやタブレット、PCを活用して安全なモバイルワーク環境を実現するため“BYOD(Bring Your Own Device:私物端末の業務利用)”体制を整えた。ソリトンシステムズが3月4日に発表した。
戸田建設では、2011年に災害時などにも業務が継続できる事業継続計画(Business Continuity Plan:BCP)の一環として「Google Apps」を全社導入している。業務改革のために外線・内線電話の統合を目指したが、端末コストなどが問題となったことからBYODを検討することにしたという。管理しにくい私物端末の業務利用では、情報漏洩のリスクが伴うため、その懸念を払拭するために今回の体制構築に至った。
採用されたのは、安全に社内やクラウドシステムを利用するためのセキュアブラウザ「Soliton SecureBrowser(SSB)」とゲートウェイアプライアンス「Soliton SecureGateway(SSG)」、オールインワン認証アプライアンス「NetAttest EPS」。
SSBは端末へのデータ保存を禁止するなどセキュリティ強化されたブラウザ。SSGでデジタル証明書による強固な端末認証とともにID・パスワードによる多要素で認証、社内やクラウド上にあるウェブシステムに安全にアクセスできるという。端末にデータを残さないだけでなく、許可していない端末の業務利用を防ぎつつ、安全なモバイルワークを実現すると説明。NetAttest EPSと連携することでセキュアなデジタル証明書配布と運用がスムーズになるとしている。
製品選定では、セキュアブラウザで端末の標準ブラウザと同じような感覚でGoogle Appsはもちろん社内のウェブアプリケーションも利用できること、申請ワークフローシステムで申請から利用までの一連の手続きが自動化され、運用負担が軽減されることが評価されたと説明している。
システム構成図(ソリトン提供)
現在、建設業界では女性技術者を増やすべくさまざまな取り組みを進めている。戸田建設では今回の体制をさらに活用し、BCPや女性がより活躍できる環境を整えるべく、在宅勤務も視野に入れた業務改革が促進されるものと期待されるという。