シスコシステムズは4月16日、 Hadoopのシステム構築などを担うClouderaやHortonworks、MapRとソフトウェアの再販契約を締結したと発表した。3社の手掛けるHadoop関連の製品やサービスを提供、サポートする。分散並列処理プログラミングフレームワーク「Apache Hadoop」のデータ管理機能がシスコのサーバ上で利用できるようになるという。
シスコ 執行役員 データセンター/バーチャライゼーション事業担当 俵雄一氏
今回の連携により、ビッグデータ向けツール「Cisco UCS(Unified Computing System) Director Express for Big Data」を利用し、ClouderaやHortonworks、MapRの管理ツールと、ビッグデータ向けの統合インフラである「Cisco UCS CPA(Common Platform Architecture) 」の管理ツールを統合、Hadoopの導入を自動化できるという。ClouderaやHortonworks、MapRソフトウェアとCisco UCSサーバの双方を一元的に展開、管理、把握する。これにより、複雑さ低減し、レスポンスタイムを短縮、迅速かつ容易にHadoopを展開、管理できるとした。
また、仮想化機能「Cisco Data Virtualization」により、データの抽出、アクセス、検索ができ、Hadoopクラスタにデータを提供し、費用対効果に優れた方法でのデータを処理や管理する。
統合インフラとソフトをまとめて提供することにより、Hadoopクラスタの拡張が容易になるという。大量のデータをいかに低コストで保存できるか、スモールスタートの需要に合わせて容易に拡張できるかが重要と説明している。
ネットワークなどインフラの展開が中心のシスコだが、今回の発表はアプリケーションでもさまざまな事業者と提携し、エコシステムを形成、ビッグデータの分析基盤をワンストップで提供することになる。
一方、Hadoop用にシスコのサーバ製品「Cisco UCS」をアピールする理由は何か。シスコの執行役員であり、データセンターとバーチャライゼーション事業を担当する俵雄一氏は、ビッグデータの解析に有効なのはベアメタルサーバであるとし、これをソフトウェアで制御、プロビジョニングでき、スケールアウトしやすいUCSの利便性を訴えた。UCSを1000台以上利用している例もあるという。
ビッグデータ分析をワンストップで提供するため、Hadoopに加え、データ抽出や変換、ロードするためのExtract/Transform/Load(ETL)ツールやビジネスインテリジェンスなどのアプリケーションを提供する。会見ではSASやSplunk、Informatica、QlikTechなどとの提携が発表された。