MS、新クラウドサービス「Azure SQL Data Warehouse」などを発表

Andrew Brust (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2015-04-30 13:00

 Microsoftはサンフランシスコで開催中の開発者向けカンファレンス「Build 2015」の基調講演で、Amazonの「Redshift」に対抗する新しいデータウェアハウス用クラウドサービス「Azure SQL Data Warehouse」を発表した。また、このクラウドサービスを補完する2つの新しい無料サービス「Azure Data Lake」と「Elastic Databases」も併せて発表した。

 Azure SQL Data WarehouseはAmazon Redshiftに比べ、システム構成とコストの双方でスケーラビリティに優れているのが特長だ。Redshiftでは、スケールの増減はクラスタ内のノード単位で行われるので、コンピュート(処理能力)またはストレージのいずれか一方だけを追加するようなことはできない。一方、Azure SQL Data Warehouseではコンピュートとストレージが分離されているので、それらを個別に増減させることができ、不要なリソースを管理して料金を支払う必要性から解放される。

 Azure SQL Data Warehouseにおけるコンピュートとストレージの分離は、仮想マシン上のローカルドライブの代わりに「Azure Storage Blobs」と呼ばれるクラウドストレージサービスを利用することで実現されている。この方式ではストレージのパフォーマンス低下が懸念されるが、Microsoftの担当幹部によるとパフォーマンスの面でも優れているという。

 Azure SQL Data Warehouseは「Analytics Platform System(旧名SQL Server Parallel Data Warehouse)」と同じテクノロジをベースに開発されており、「PolyBase」と呼ばれる技術も搭載されている。Azure SQL Data WarehouseはPolyBaseにより、Hadoopクラスタ内のデータを、直接またはHadoop経由でローカルのデータと同様に処理できるので、データベースの開発者や管理者は、既存の手法でHadoopデータを取り扱うことができる。さらにPolyBaseは、「HDInsight」、「Hortonworks」、「Cloudera」などのクラスタも同様の形で統合できる。

 同時に発表されたAzure Data Lakeは、アナリティクス向けの拡張性に優れたデータリポジトリ。低レイテンシかつ大容量で頻繁に更新されるストリーミングデータを処理可能で、ペタバイト級のファイルにも対応する。Azure Data Lakeは「Azure Storage API」を利用するが、「Hadoop Distributed File System(HDFS)」との互換性も確保されている。

 一方、同じく新たに発表されたElastic Databasesは、多数のデータベースを集合化させてプロビジョニングするためのサービスだ。このサービスでは、多数のデータベースにわたってリソースを共有することにより、急激な増加に対応するとともに収益性の高いビジネスモデルの構築を支援する。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  2. セキュリティ

    サイバー攻撃の“大規模感染”、調査でみえた2024年の脅威動向と課題解決策

  3. セキュリティ

    従業員のセキュリティ教育の成功に役立つ「従業員教育ToDoリスト」10ステップ

  4. セキュリティ

    IoTデバイスや重要インフラを標的としたサイバー攻撃が増加、2023年下半期グローバル脅威レポート

  5. セキュリティ

    急増する工場システムへのサイバー攻撃、現場の課題を解消し実効性あるOTセキュリティを実現するには

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]