ヤマハは、ウェブサーバを統合し、36サイト22言語の現地法人ウェブサイトを統合するに当たり、ウェブパフォーマンスソフトウェアを導入し、世界中からのアクセス速度の遅延を解決した。ソフトウェアを提供したアカマイ・テクノロジーズが5月26日に発表した。
ヤマハでは、これまで各国の現地法人がウェブサイトをそれぞれ個別に管理していたが、統一ブランドの確立および管理効率化を目的として、ウェブサイトの統合に取り組んでいる。
このグローバルサイト統合について、日米2カ所にあるデータセンターを1カ所に集約するのが望ましいものの、データセンター集約の弊害として世界各地からのアクセス速度が低下することを懸念していた。
この課題の解決策として、ヤマハではアカマイのCDN(Contents Delivery Network)「Dynamic Site Accelerator」を採用、既存システムを変更することなく、データセンター集約を実現した。
通常のウェブインフラと比較して最大5倍高速というパフォーマンスと100%の可用性を保証する。世界に分散したAkamai Intelligent Platform上で、静的コンテンツはユーザーに近いアカマイのサーバから配信し、動的なコンテンツは最も信頼性の高いパスを通じて顧客企業のデータセンターからユーザーに配信する。これにより、コミュニケーションを最適化し、高速で安定したウェブ体験を提供している。
ヤマハは、Dynamic Site Acceleratorの採用により、海外拠点から日本のオリジンサーバへのパフォーマンスについて、日本とドイツ間において、全地域との比較で最大となる54%の改善を実現したとのこと。
同システムの構築に携わった、ヤマハの情報システムICTサービスセンター インフラ運用グループ主任の宮地健太氏は以下のようにコメントしている。
「アクセススピードの維持と、既存システムを変更することなく導入できることが採用の決め手になった。データセンターを1カ所に統合でき、米国内の数十台のサーバも撤去できた。運用負荷の軽減や管理効率化が実現した」