1サーバで10万のアクセス要求に対応--アシスト、コネクションブローカ新製品

三浦優子 2015年06月02日 16時10分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 アシストは、イスラエルのEricom Softwareが開発したコネクションブローカ「Ericom Connect」を8月3日から発売する。国内でアシストが総販売代理店となっていたクライアント仮想化製品「Ericom PowerTerm WebConnect」の後継となる。

 従来製品と比べ性能が大幅に向上し、1台のサーバで10万アクセス要求を同時処理できるという。複数のEricom Connectサーバで1つのグリッドを構成することで処理性能向上、自動負荷分散、冗長性確保を実現するとしている。WindowsやMac、Linuxのほかにタブレット、スマートフォン、シンクライアントなどマルチデバイスに対応する。

 アシストではChromebook日本語版に対応していることに着目し、「Chromebookは海外での実績に比べ、日本での導入実績は少ないものの、Google Appsユーザー、文教マーケットから引き合いが増加している」(システムソフトウェア事業部 仮想化推進室室長 高木季一氏)とChromebookとのセット販売にも注力していく。

データベースとビジネスロジックのすべてをメモリ上に配置

 Ericom Connectは、Ericom独自のグリッドアーキテクチャを採用した、クライアント仮想化製品のコネクションブローカ。セッション情報、構成情報を格納するデータベースとビジネスロジックのすべてをメモリ上に配置する仕様となっている。

 システムソフトウェア事業部 仮想化推進室 岡田昌徳氏は「Ericom製品をご紹介するのは今回で2回目となるが、正直なところ前回は期待半分、不安半分というところがあった。しかし、実際に製品を販売した経験から今回は自信100%で製品をアピールできる」と前置きしてこう語った。

 「仮想化インフラは各社から発売されているものの、数万、数十万ユーザーが利用するレベルの商品はまだない。仮想デスクトップについても従業員規模が数万、グローバル企業での利用に耐えられるものは少ないというのが実情だと思うが、Ericom Connectによって超大規模ユーザーをもつ企業でも安心して利用できるようになる」(岡田氏)

 製品の最大の特徴は、1サーバあたり10万ユーザーのアクセス要求を受け付ける性能を持つグリッドアーキテクチャを採用している点。Connectサーバ2台以上でグリッドを形成し、セルフロードバランシング、簡単にスケールアウトできるという。バックエンド側は数千のホストサーバに対応できる。

Ericom Connectのアーキテクチャ
Ericom Connectのアーキテクチャ(アシスト提供)

 開発したEricomの創業者で、現在はチェアマン兼チーフアーキテクトであるEran Heyman氏は創業前に7年間空軍で勤務し、インテリジェントシステムの開発に携わっていた。「空軍時代は、イノベーティブな製品を開発しなければ生死に影響を及ぼすことから、どうしたらイノベーティブなものを開発できるのかに注力していた。しかし、起業し製品開発に取り組んでいるうちに、イノベーティブの重要性を深く考えることなく開発に取り組むようになってしまっていた」と過去を振り返った。

 「それを打ち破ったのはGoogle、Appleが作ったHTML5ベースの製品。あれを見てイノベーティブな開発が必要だと再確認した。2011年にはHTML5ベースの製品を発売し、アナリストの評価も高く、今日のビジネスの礎となっている。2015年にはさらなるスケーラビリティ、どんなデバイスからもアクセスできるようにした」(Heyman氏)

 特徴の2つ目はウェブベースの統合管理コンソールを持っている点。ダッシュボードからシステム、ユーザー、アプリケーション、リソースの状況を把握できる。アラート機能で迅速な障害復旧、障害を未然に防ぐ。特定ユーザーのConnect利用時の動作をシミュレーションするラウンチシミュレータ、他の管理ツールからConnectを管理、自動化するコマンドラインインターフェースを搭載する。

 特徴の3点目は簡単なステップで利用を始められる点。大規模環境であっても簡単に設定し、それでありながら詳細に管理できるという。評価環境であれば、20分以下でインストールが完了し、すぐに利用を始めることができる。

 仮想デスクトップ基盤(Virtual Desktop Infrastructure:VDI)、リモートデスクトップセッションホスト(Remort Desktop Session Host:RDSH)、物理マシン側にエージェントを導入すると、自動でConnectサーバ管理下に入るので、設定の省力化とミスを削減する。Active Directoryからエンドユーザーを抽出し、グループ単位で管理し、詳細レベルでは特定のエンドユーザーの特定アプリケーション利用時のポリシーまで管理できる。

 マルチテナントでシステム、グループ会社、サービスの利用企業の管理者などに権限を移譲できる。複数のActive Directoryに対応することで、マルチテナントの共通インフラとして利用できるとしている。

 アプリケーションの利用状況リポート、リソース側のServer利用状況リポートなどはSQL Serverに一元的に蓄積されるが、これを再活用し、分析することも可能となっている。

 こうした製品特徴からアシストでは、「大規模企業で導入し、グローバル企業の場合には現地でそれぞれ管理権限を委任し、共通のインフラを持ちながらグループ企業ごとに自治を行うといった使い方ができる。また、SaaS/DaaS事業者のインフラとして利用することも可能になるのではないか。企業規模を問わず、マルチデバイス、BYOD(私物端末の業務利用)に対応したクライアント仮想化を少ない管理者で実現したいと考える企業にとっては、導入メリットが十分になる製品」(岡田氏)といった層への販売を見込んでいる。

 価格は現在のところEricomとアシスト側で協議中で、8月の発売の頃には発表できる見通し。現行製品に比べ、若干価格が上回る見通しだ。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]