多くの中小企業を顧客に持つ同社らしいソリューションである。果たして、これから数年の間にどれだけ浸透していくか、注目しておきたい。
「ICTビジネスは最適化を追求するとともに最速で進めることが重要だ」 (日本ユニシス 黒川茂 代表取締役社長)
日本ユニシスの黒川茂 代表取締役社長
日本ユニシスが先ごろ、2014年12月に発表した2015年度(2016年3月期)から2017年度(2018年3月期)までの中期経営計画を遂行するための事業戦略や具体的な実行プランについて、記者およびアナリスト向けに説明会を開いた。
黒川氏の冒頭の発言は、その説明会で、新たな中期経営計画におけるICTビジネスへの取り組み姿勢を語ったものである。
同社では新たな中期経営計画の業績目標として、2017年度の売上高を3200億円(2014年度実績は2691億円)、営業利益を170億円(同109億円)と設定。これにより、売上高営業利益率を2014年度実績の4.1%から2017年度には5.3%に引き上げたいとしている。さらに2020年度(2021年3月期)には、売上高を3500億円、営業利益率を8%以上に設定している(関連記事)。
今回の説明会では、黒川氏が成長戦略や実行体制などについて述べた後、営業組織であるビジネスイノベーション部門の産業別ユニットをそれぞれ率いる担当役員が、個々の事業戦略や実行プランについて語った。
各ユニットが掲げたテーマを紹介しておくと、地域金融を担う第一ユニットは「地域金融機関が選びたくなるようなビジネスパートナーを目指す」、製造・流通業を担う第二ユニットは「加速する製造・流通業界の変革スピードにいち早く対応し、お客さまのビジネスモデル変革を実現する」、公共・大手金融を担う第三ユニットは「社会のインフラを担うビッグアカウントに対し、顧客目線でのサービスレベルを維持・向上させ、なくてはならないパートナーとなり、ユニット収益の基盤を確保する」、地域行政などを担当する第四ユニットは「地域創生コンセプトの展開・事業化を図る」といった内容だった。
黒川氏の冒頭の発言は、ICTビジネスについて、前の中期経営計画では「ICTの最適化」を掲げていたが、今回は「ビジネスICTプラットフォームの変革」と表現していることの意図について問われ、「お客様のビジネススピードが格段に速くなっていることに対応するには、ICTの最適化とともに最速で進めることが重要だ」と答えたのをピックアップしたものだ。
さらに「とくに最速であることがますます求められるようになってきた」と強調。ビジネススピードを強く意識している様子が印象的だった。