Microsoftは政府機関に製品ソースコードを開示するための施設、「Transparency Center」をベルギーの首都ブリュッセルに開設した。同センターは2014年に米国ワシントン州レドモンドに開設された同種の施設に続く、2番目の施設となる。
Transparency Centerでは、Microsoftの「Government Security Program(GSP)」契約を締結した政府機関に対して、セキュアな環境で各種エンタープライズ製品のソースコードが開示される。また、製品とサービスに関する重要な技術文書、パッチの開発計画、セキュリティ対策、クラウドサービスの状況など、詳細な技術情報も開示される。Microsoft SecurityのVPであるMatt Thomlinson氏によると、現在までに欧州委員会を含む23カ国の42機関がGSP契約を締結しているという。
Thomlinson氏は、政府に対して国民と重要な社会インフラの保護を求める声は世界各国で高まっているとしたうえで、サイバー攻撃を効果的に阻止するためには、政府機関と民間企業が高度な協力体制を築く必要があると述べている。
Transparency Centerには2つの大きなメリットがある。1つは、政府機関が製品ソースコードを閲覧し、それらを独自に解析および検証することが可能になる点で、もう1つは、製品に政府機関用のバックドアが仕掛けられているのではないかという、顧客企業の疑念を払拭できる点である。Edward Snowden氏がNSAに協力している企業の名前をリークするよりも以前から、顧客企業の間では「Microsoftのソフトウェアにバックドアが仕掛けられているのではないか」という疑念が抱かれていた(同社はこれを否定している)。
Microsoftは今後、ヨーロッパ、南北アメリカ、アジアでさらに多くのTransparency Centerを開設するとともに、ソースコードを開示する製品の種類を増やすことを計画している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。