昨今、スポーツ分野にも注目が集まっている。
Marriott氏は「スポーツ分野やエンターテメイント分野において、HANAを活用したアナリティクスの実績は非常に分かりやすいもの。それはビジネスでも活用できるものである」とする。
F1ではマクラーレンがマシンの走行状態をHANAでリアルタイム分析し、最適なレース運びに活用しているほか、ドイツでは、サッカーブンデスリーガでバイエルン・ミュンヘンなどのチームが、選手の育成や戦術理解にHANAを活用している。今後もスポーツ分野での活用を広げていく考えだという。

SAPのプラットフォームソリューショングループで、グローバルバイスプレジデントを務めるPaul Young氏
Young氏は「データベースは最終的に、どんな価値が得られるのかが重要」と前置きする。「HANAが目指したのは、フォード創業者であるHenry Fordが目指したものと同じだ」とする。
「当時の人々にどんな移動手段が欲しいかと聞いたら、多くの人が、速く走る馬が欲しいと答えた。いまのデータベースは、それと同じで、速い馬を育成することに、競合他社は力を注いでいる。しかし、SAPが、HANAで取り組んでいるのは、クルマを作ることだ。考え方の根本を変え、スマートな形で解決できるものを提案している。世の中は、すべての人が馬を降りて、クルマに乗る決断をした。データベースは40年も経っている。そこから脱却して、インメモリ処理に特化し、トランザクションとアナリティクスをひとつのデータから分析し、将来を予見できる新たなデータベースに移行しなくてはならない」と語った。
2014年ブラジルW杯にドイツが優勝した背景に、HANAによる徹底したアナリティクスがあったことが広く知られている。