NECとEMCジャパンは4月20日、SAPのインメモリデータベース「SAP HANA」環境を効率的に構築、運用する「SAP HANA テーラード・データセンター統合ソリューション(TDI: Tailored Data Center Integration)」の提供を同日より開始すると発表した。
提供価格は3000万円から。両社は、HANAの導入を予定している顧客を中心に、今後3年間で20セットの提供を目指す。
HANAの利用には、SAPが認定するアプライアンスサーバをそのままの構成で用いるのが一般的だったが、最近になり、ユーザーのハードウェア資産を有効活用するため、ハードウェアとしての認定への制限が緩和されつつあるという。
新たに定義されたHANA TDIでは、第一弾としてストレージの認定(SAP HANA Enterprise Storage認定)が開始されている。
この認定を取得したEMCのユニファイドストレージ「EMC VNXシリーズ」と、NECのHANAアプライアンスサーバ「NEC High-Performance Appliance for SAP HANA」を組み合わせて提供する。
ユーザーは、1台のEMCストレージを複数台のHANAアプライアンスサーバで共有することにより、運用の効率化を図れる。また、自社の既存EMCストレージを利用したHANA環境を短期間で構築でき、現行のストレージ環境も適用できる。
さらに、EMCストレージが持つデータ保護などの運用機能を利用することで、信頼性、可用性のより高いHANA環境の構築が可能という。なお、HANA TDIのシステム構成においては、HANAのインストールや、SAPが定める性能や可用性など各種要件の基準値をユーザー自身がクリアする必要がある。
今夏の提供に際して、EMCジャパンと同社の最上位パートナー「プラチナパートナー」であるNECが、環境構築手順や各種要件の基準値達成、運用機能に関する事前検証、評価を共同で実施している。
事前検証、評価が行われている運用機能は以下の通り。
- 無停止バックアップソフト「EMC SnapView Snapshot」を活用したバックアップやデータ復元
- HANAのデータコピー機能「SAP HANA System Replication」とNECの高可用性クラスタリングソフト「CLUSTERPRO」を活用した障害時自動切り替え
- NEC High-Performance Appliance for SAP HANAの将来のスケールアップを想定したデータやログの領域拡張
- NEC High-Performance Appliance for SAP HANAとEMC VNXシリーズの組み合わせにおけるハードウェアリソースやプロセス、ログなどの統合監視