Google Atmosphere Tokyo

企業はもっとスマートになれる--経産省とグーグルが語る女性の活躍の在り方

Emi KAMINO 2015年07月03日 07時30分

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 企業や組織のリーダーを対象にテクノロジを活用した新しい働き方を探る、グーグル主催のイベント「Google Atmosphere Tokyo 2015」が6月17~18日に開催。2日目には「Google Women Willが提案する、柔軟で効率の良い“未来の働き方”へのヒント」と題して、2人が講演した。

 ゲストスピーカーとして登場したのは、経済産業省の経済産業政策局 経済社会政策室長を務める福地真美氏。女性の雇用促進と労働現場での活躍を推進する政府の立場で、海外と比較した労働現場での現在の日本の女性が置かれている状況や国内の先進企業の事例を紹介した。

多様性は企業経営にプラス

 福地氏によると、日本女性の労働市場での活躍は国際社会と比較しても著しく遅れている。年代別の女性の就業率を見た場合に、ちょうど中間に位置する30代をピークとして最も低くなり、子育て期に職場を離れてしまう割合が高い。いわゆる“M字カーブ”と呼ばれるものだ。

福地真美氏
経済産業省 経済産業政策局 経済社会政策室長 福地真美氏

 「グラフがこういう形を描いてしまっている国は日本と韓国だけ。それ以外の国は年代が上がるにつれてだんだんとピークを迎え、年代とともに小さくなっていく台形型を示している」(福地氏)

 日本の場合、実際には働いていないが、働きたいと思っている人の数が多いのも特徴という。統計によると、その数は300万人を超えると説明。福地氏は「日本はこういう人たちが社会に出ると経済効果が上がるし、働きたいという希望も叶えることができる。そういう意味で、こうした人々がしっかりと働けるようにすることが1つの大きな課題」と語る。

 日本では働いている女性の社会的地位にも特異な点があるという。「女性管理職の比率を国際比較でみた場合、日本は役員がわずか2%。最も高いノルウェーの場合は4割。そのほかの国でも15~30%程度と大きな差がある。それは管理職の割合についても言える」と福地氏。

 世界経済フォーラムを主催するダボス会議が試算した“ジェンダーギャップ指数”では、2014年に日本は104位。前年の105位から1つだけ順位を上げたが、先進7カ国では依然最下位だ。

 ジェンダーギャップ指数は健康、教育、政治、経済の4つの分野で男女間のギャップを比較し数値化したもので、日本は特に政治と経済で男女差が大きい。こうした状況を「日本の女性の活躍は進んでいるとは言えない状況。しかし、これから進んでいくにあたって、経済にとっては非常にいいインパクトを与え、なおかつ個人の幸せにもつながることを実現できる潜在性があるとも言える」と福地氏は見ている。

 福地氏によると、政府では女性を含め多様な人材を活用することで企業経営に与えるメリットは次の4点を挙げているという。

 まずは、多様な市場ニーズへの対応。これは、女性をはじめ外国人、障がい者など消費する側が多様化していく中で、供給する側が画一的だと優れた商品やサービスは生まれにくいものだが、多様な人材登用で消費者側のニーズにマッチしたものをつくるという点で力を発揮できるとしている。

 次に資金調達の面から。現在、欧米の大手年金基金を中心に、その企業がどれだけ多様性を持っているかという視点で評価する投資家が増えている。福地氏は「ダイバーシティの先進性を投資家が見ている時代」と語る。

 3番目がリスク管理能力。多様な人材が参加した企業ほど、環境の変化に対する耐性が強く、回復も早いという調査結果もすでに出ているという指摘だ。

 そして最後は、優秀な人材の確保につながるという点。時間などの制約で人材の母集団を狭めていてはいい人材が集まってこないという状況にあり、母集団を広げるという観点からも多様性は不可欠だと論じる。実際に「役員に女性比率が高い企業とゼロの企業を比較した場合に、女性が多い方が経済指標が高いというデータもある。人材活用の観点からワークライフバランスの推進に取り組んでいる企業とそうではない企業では、生産性に2倍以上の差がついているという調査もある」という。

 経済産業省では、こうした経営を進めて成果を上げている企業を紹介し、裾野を広げていくことを目的に3年前から「ダイバーシティ経営企業100選」を選定している。取り組み内容だけでなく、どのような成果を収めているかも審査の対象とし、7~9月に公募し、3月に発表している。

 妊娠授乳中の需要に応えるために女性社員の声を活用し、ノンアルコールビールを開発したキリンビール、家事の中心を担う女性の要望を反映させられるように男性中心の建築世界の現場監督に女性を登用した重松建設など、これまで地方の中小企業も含め選ばれ、ベストプラクティス事例として紹介されている。

 福地氏は、選定された企業に共通しているポイントを次のように解説する。

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