海外コメンタリー

人工知能について知っておくべき10のこと--ルーツ、現状、懸念も

Conner Forrest (TechRepublic) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-07-17 06:30

 現代のコンピューティングテクノロジの黎明期から、科学者や革新者は人間のような思考能力を持つコンピュータの開発に取り組んできた。人間の思考と意思決定を機械的なプロセスにするという目標の下、アルゴリズムとネットワークが、現在、人工知能(AI)として知られるものの土台を形成するようになった。

 AIは、以前ならSF映画の構想にすぎないと一笑に付されていたが、今では確実に実在する便利なツールになっている。AI技術を一般の人々に提供することを目指して、多数の新興企業が創設されており、より大規模な企業もその波に乗ろうとしている。

 AI市場は急速に成長しているが、同技術には依然として課題も多い。よく誤解されることもその1つだ。

 本記事では、AIについて知っておくべき10のことを紹介する。

1. AIのルーツは大昔にさかのぼる

 多くの人はAIと聞くと、人間と同じように論理的に思考する能力を備えたロボットなどの人型機械を思い浮かべる。人型機械というアイデアは、早くもギリシャ神話の一部に登場している。ヘーパイストスの黄金のロボットもその1つだ。さらに、中世の錬金術の物語には、生命のない物体に人間の脳を移植することをほのめかすものもある。物理的な像を崇拝する宗教の中には、それらの像が人間の思考や感情を備えていると考えるものもある。

2. Alan Turing氏はAIに多大な影響を及ぼした

 Alan Turing氏は1950年、論文「Computing Machinery and Intelligence」(計算する機械と知性)を発表した。Turing氏はその中で、自身が「The Imitation Game」(模倣ゲーム)と呼ぶテストに機械が合格できるかどうかを見極めようとした(The Imitation Gameは、Turing氏を描いた2014年の映画のタイトルでもある)。そのテストは、コンピュータに2人のプレーヤーの性別を判別させるというものだった。同論文では、「チューリングテスト」も初めて発表された。Computing Machinery and Intelligenceは、AIに大きな影響を及ぼした論文であると多くの人に見なされている。

3. 正式なAIの研究は1950年代に始まった

 AIの研究はそれ以前にも行われていたが、1956年に開催されたダートマス会議で正式な学術研究分野となった。「人工知能」という名前の採用を奨励したのは、主催者のJohn McCarthy氏だ。McCarthy氏はその後も2011年に死去するまで、多くの大学でAIの研究に貢献した。

4. AIの鍵を握るのは自然言語処理

 AIの主な目標の1つは、コンピュータに自然言語を理解させ、ゆくゆくは自然言語でコミュニケーションを取れるようにすることだ。これは自然言語処理(NLP)と呼ばれる分野である。コンピュータは人間の自然な言語(英語やスペイン語など)を理解して情報を集め、それを処理しなければならない。

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提供:iStockphoto/carloscastilla

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