内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」

IT部門のビジネス貢献度を高めるには

内山悟志(ITRプリンシパル・アナリスト) 2015年07月22日 07時00分

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 ダイナミックなビジネス環境の変化と不確実性のなかで、ITへの企業の期待は高まる傾向にあります。もはや、ITなしには環境変化への迅速な対応やビジネス変革が立ち行かないのも現実といえるでしょう。

 一方で、IT部門自体の変革は思うように進んでいません。IT部門がビジネスへの貢献度を高めるためには、まず経営者やユーザーとITの価値に対する認識を共有することが第一歩となります。

これからのITが提供する価値とは

 業務遂行の時間短縮、対応スピードの向上、誤処理の低減といった既存業務の改善においてITがその効力を発揮することは、企業における長年のIT活用の歴史が物語っています。また、昨今の“見える化”やデータ分析、知識共有などの取り組みにより、問題およびリスクの早期発見、意思決定の迅速化と精度向上、計画精度や業務品質の向上といった業務の高度化にも、ITが重要な役割を果たすことも、広く認知されてきていると言えます。

 このような既存業務の改善や高度化は、業務コストの削減に代表される計測可能な直接的効果を生み出すだけでなく、納期順守率の向上、欠品率の低減、サービス品質や顧客満足度の向上、製品の市場投入の早期化といった間接的効果ももたらします。言い換えれば、こうした直接的および間接的なビジネス上のリターンを得るために、ITの導入と活用が推進されてきたといってもいいでしょう。

 一方で、抜本的な業務プロセスの改革、事業モデルおよび収益モデルの変革、新規事業や新規市場の開拓といったビジネスイノベーションに対してITがどのような貢献を果たせるのかについては、十分なコンセンサスが得られているとは言い難いのではないでしょうか。

 言うまでもなく、ITそのものが直接的に売り上げ増加などのビジネス価値を生み出すとは限らず、業務や事業を介して価値が創出されるという関係にあるため、ITによるビジネスイノベーションの効果は計測が困難なことは事実です。

 ITに大きな期待を寄せる経営者や、ITのビジネス貢献度を高めたいと考える最高情報責任者(CIO)やIT部門は多いわけですが、これを実現するためには、まずはITが生み出す価値を整理し、その関係性について経営者、ユーザー部門およびIT部門が共通の理解をもつことが出発点となるではないでしょうか。

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