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内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」

IT部門のビジネス貢献度を高めるには - (page 2)

内山悟志 (ITRエグゼクティブ・アナリスト)

2015-07-22 07:00

ITの価値を正しく共有する

 それでは、ITがビジネスに対して提供する価値とはどのようなものでしょうか。3つの層に分けて考えると分かりやすいでしょう。


ITの価値連鎖モデル(出典:ITR)

 まず、IT部門が自助努力によって生み出す価値は、第1層の(1)基本的(必然的)価値、(2)付加(能動的)価値、そして(3)革新的価値の3つです。(1)はこれまでもIT部門が推進していた「守りの戦略」によって提供される価値であり、(2)および(3)はより能動的な「攻めの戦略」によって生み出されるものです。

 こうしてIT部門が生み出した価値によって、ユーザー部門において第2層の(4)既存業務改善、(5)業務高度化、そして(6)ビジネスイノベーションが実現されます。

 そして、ユーザー部門がこうした価値を実現することによって、ビジネスにおける経営上の最終的な価値として第3層の(7)計測可能な直接的効果、(8)計測可能な間接的効果、および(9)計測困難な効果が生み出されるというわけです。いわば三段論法のような価値連鎖といえます。

 この連鎖の図式を経営者、ユーザー部門およびIT部門が共通に認識することが非常に重要です。これを正しく認識していないと、経営者から「IT部門は金食い虫だ」と言われ、ユーザー部門から「IT部門は何をやっているかわからない」と言われてしまいます。

 一方、「X億ドル費やして構築したシステムにより、Y億ドルのビジネス効果を生み出した」「新しいCIOが着任して改革を断行し、Z億ドルに相当する業務改善を実現した」といったメッセージを社内外にアピールすることで、IT部門の評判を高めようとする動きは、ITの価値連鎖を無視した“眉つばの数値”をでっちあげているにすぎないことに注意しなければなりません。

 IT部門は、ここで示した価値連鎖を自社のビジネスに照らして、経営者やユーザー部門に正しく啓発することが求められます。

内山 悟志
アイ・ティ・アール 代表取締役/プリンシパル・アナリスト
大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストとして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は、大手ユーザー企業のIT戦略立案のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。最近の分析レポートに「2015年に注目すべき10のIT戦略テーマ― テクノロジの大転換の先を見据えて」「会議改革はなぜ進まないのか― 効率化の追求を超えて会議そのもの意義を再考する」などがある。

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