Googleはベータ版だった「Google Cloud Platform」の低コストストレージサービス「Google Cloud Storage Nearline」を正式リリースした。
2015年3月に発表されたNearlineは、階層化ストレージサービスとは対照的なサービスになっている。このサービスでは保管されているデータに対して、数秒以内というほぼ即時のアクセスを約束しているのに対し、従来の一般的なオフライン/オンラインのストレージインフラでは、数時間かかるのが普通だ。
オンデマンドで提供されるNearlineは、データ量の上限もなく、Google Cloud Storageのほかの仕組みとも完全に統合されている。
低価格をうたっており、容量あたりの価格は、1Gバイトあたり1セントとなっている。
また、Google Cloudの標準ストレージは(ほかにもさまざまなオプションやサービス、仕組みがあるが)、1Gバイトあたり月額わずか2セント強となっている。
今回の正式リリースに伴い、Googleは特に「Amazon Web Services(AWS)」に対する競争を激化させている。
まず、Googleは総所有コスト(TCO)計算ツールを用意した。これは、Google Cloud PlatformのAWSに対するコスト削減面での優位性を訴えかけることが狙いだ。
コスト面での有利さをうたうほか、GoogleはHTTP/HTTPSサーバなどから大量のオンラインデータをインポートする「Google Cloud Storage Transfer Service」の正式リリースも予告しているが、このサービスの説明文では、インポート元の具体例として「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)を挙げている。
さらに、Googleは「Switch and Save」(乗り換えで経費削減)と銘打った新たなプロモーションを導入し、ほかのクラウドプロバイダやオンプレミスサービスプロバイダからGoogle Cloud Platformに乗り換えた新規顧客に対して、Nearlineで100ペタバイト分の利用量を最大6カ月間無料にするとしている。
1ペタバイトは1Tバイトの1000倍であり、1Gバイトの100万倍に相当する。
Googleはオレゴン州ポートランドで、オープンソースをテーマとしたサミットOSCONが開催されているこの週に、大量のクラウドサービス関連のアップデートを提供している。
米国時間7月21日には、同社のオープンソースコンテナの展開・管理ツールであるKubernetesのバージョン1.0をリリースし、本番環境で利用できるようにした。
さらにGoogleは、クラウドで動作することを前提としたアプリケーションやサービスの統合を目指す新しいオープンソース団体であるCloud Native Computing Foundation(CNCF)に、Kubernetesを寄贈している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。