IDC Japanは7月28日、国内のデータセンター管理者を対象とした調査結果を発表した。今後5年間でデータセンター投資を増加させると回答したのは、データセンター事業者44社のうち65.9%、一般企業274社のうち23.7%となり、いずれも減少させるという回答(データセンター事業者で2.3%、一般企業で5.1%)を大きく上回った。特にデータセンター事業者の投資拡大傾向が強いことがわかる。
データセンター事業者が今後重点的に投資する分野としては、データセンター能力の増強(データセンターの新設や増設、拡張)とともにデータセンターの運用効率化(省エネ対策強化、運用自動化、不要なデータセンターのシャットダウンなど)が多く挙げられた。データセンターサービス市場は拡大していると同時に競争が激化しており、データセンター事業者は設備の増強と同時に、運用効率を改善してデータセンターの投資収益率を確保しようとしているものとみている。
(IDC提供)
一般企業のデータセンターでは電力コストの削減が課題となっているが、調査対象の一般企業274社のうち、消費電力を計測していないデータセンターの比率は36.1%にのぼった。一般企業のデータセンターでは、電力消費状況を把握していないことが運用効率改善を阻害する要因となっているとIDCではみている。
データセンターの運用コストは建設コストの上昇や電気料金の値上がりで上昇傾向にあることから、同社ITサービス リサーチマネージャーの伊藤未明氏は、「今後は、既存のデータセンター設備の運用効率を改善して、設備の有効活用を図ることが重要である」と分析している。
企業や公的機関のデータセンター管理者を対象としたアンケートで調査。金融機関や製造業などの一般企業が所有するデータセンターと、ITサービス事業者や通信サービス事業者などが所有する事業者データセンターの両方が含まれる。