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デジタルバリューシフト

IoTの未来と白昼夢--デジタルバリューシフトは想像から

林大介

2015-08-11 07:00

 この連載も12回目を迎え、本稿が「デジタルバリューシフト」の最終回となる。これまでの各回の論点を振り返りつつ、およそ2020年ごろの未来予測という観点でデジタルバリューシフト後の世界を想像していきたい。主人公は5年後の筆者自身、42歳になっているはずだが、デジタルバリューシフトされた社会でどのような生活をしているかを架空の物語としてつづることにする。

2020年のとある日の朝

 朝目覚めると、既に子供達は学校へ行く支度を進めていた。次女が「タブレットがない!」と叫んでいるがいつものことだ。妻が用意してくれたコーヒーをすすりながら電子版の新聞を読んでいると、気になる記事を発見した。「これ、会社に送っておいて」と(電子版を読んでいたタブレットに)つぶやき、子供達からだいぶ遅れて朝食を摂る。

 暑い夏の日であるが、クールビズがかなり浸透していて、涼しげな格好で勤務することができる。ありがたい話だ。自室に戻ってPCを開き、午前9時から始まる会議の準備をする。会議が始まると、どうやら参加者は全員オンラインのようだ。参加者の表情は高性能、高精細のカメラでよく捉えられており、よく表情が読み取れる。眠そうな様子の同僚のスマートウォッチに、ややキツめの振動をプレゼントしておいた。

 会議は予定通り30分ほどで終了し、オフィスに向かうことにする。今や日本では出勤ラッシュの時間帯を避けて通勤するのが一般的となり、制度面も充実してきた。モバイルPCを鞄に放り込んで家を出た。なんだかんだ言ってキーボードという入力インターフェースは優秀だ。

 駅まで歩いていると、スマートフォンに通知が入った。先ほどの会議の議事録が自動作成されて送られてきた。同時に、電車遅延の情報も入っていた。このまま駅に着いてもかなりの時間待ちぼうけになってしまうので、駅の近くの喫茶店に入り、そこで議事録を確認することにした。

 議事録をチェックした後、アプリで電車の位置を確認するとそろそろ目的の電車がやってくることが分かったので、残りのアイスコーヒーを飲み干して店を出る。会計伝票などはなく、単にお店のドアを通過するだけで決済完了だ。

 最近の電車アプリは何両目の乗客がどこで大量に降りそうなのかを予測してくれるので、無用な混雑を避けられるし、席に座れる確率も上がった実感がある。電車で移動中に同僚とチャットで業務連絡をしながら、オフィスにたどり着いた。そこでふと、家のカギを閉めたかどうか、さらには居間のエアコンを消して出てきたかどうか不安になった。

 いつもは妻が家にいる時間だが、今日は私が戸締まりをする必要があったのだ。アプリで確認すると、家のカギは問題なく閉められており、エアコンは30分前に停止していた。どうやら付けっぱなしで出てきてしまったらしいが、妻が止めたか、エアコンが自動で停止したか……ずぼらな私には良い時代になったものだ。

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