求職競争は今も激しいが、状況はさらに悪化しようとしている。仕事を探している人は、ほかの経験を積んだ就職希望者と競争しなくてはならないだけでなく、間もなくロボットとも戦わなくてはならなくなる。
ロボットは、製造業などの業界では以前から人間の従業員と一緒に働いてきており、仕事をより速く、より効率的にこなすのに役立ってきた。しかし、コグニティブ(認知)コンピューティングや人工知能(AI)の分野が発達するに従って、食品業界から接客業に至るまで、より多くの業界がオートメーションの影響を受けることになると予想される。
2013年に英国のオックスフォード大学マーティンスクールで発表された論文では、米国の職の約47%が、コンピュータ化やオートメーション化のリスクに晒されていると推計されている。これは、米国の仕事の半分近くが、オートメーション化される可能性があるということだ。
しかし、最初に自動化される仕事はなんだろうか。筆者が考えるトップ10は以下の通りだ。
1.組み立てライン工
オートメーションが製造業を変えるという話はもう何十年もされているが、まだ完全に自動化されるには至っていない。産業革命以降、テクノロジと工場、そして仕事の間には、複雑な関係がある。ロボット技術が製造業(特にFordやトヨタなどの大手メーカー)で利用されるようになってから数十年が経過しており、技術は進歩し続けている。しかし、ロボットだけで作業をできるようになるまでには、微細な作業を行う能力は、意思決定の問題など、まだいくつかのハードルが残っている。最高のロボットでさえ、依然として人間のしっかりとした監視と、ロボットの作業を統合する仕事が必要とする。
2.現場技術作業員
多くの仕事には、物理的に作業現場や機器が設置されている場所を訪れ、状況を確認する作業員が必要になる。モノのインターネット(IoT)の進展は、この仕事を不要にするかも知れない。
「低価格のセンサと可用性の高い携帯電話/衛星通信ネットワーク、そしてクラウド技術を組み合わせて、それらの現場作業をオートメーション化して、警告を送る仕組みが実装されつつあり、デスクトップやモバイルデバイスからチェックやメンテナンスができるようになりつつある」と、mFactor Engineeringの社長であるScott Perrin氏は言う。
現場作業員は今後も必要とされるが、この仕事はデータ集種のためだけの仕事ではない。Verisaeの最高経営責任者(CEO)であるJerry Dolinsky氏は、「メーター読み取り係」としての仕事は将来なくなると述べている。たとえば、英国のブリティッシュコロンビア州では、すでにスマートメータープログラムが進行中だ。一方で、トラブルシューティングや問題解決のための現場作業員は、今後も必要になる。