日本SGIは8月25日、Xeon v3プロセッサを搭載した共有メモリ型サーバのハイエンドモデル「SGI UV 3000」とエントリーモデル「SGI UV 30」の発売を開始。既存のミッドレンジモデル「SGI UV 300」「SGI UV 30EX」にも同プロセッサを搭載して性能強化した新モデルを追加した。
UV 3000、UV 30EXとUV 300新モデルは9月から出荷予定、UV 30は同日から出荷している。税別参考価格は以下の通り。
- UV 3000(Xeon E5-4627 v3×32ソケット、メモリ8Tバイト)=7428万6000円
- UV 300(Xeon E7-8867 v3×8ソケット、メモリ3Tバイト)=2493万8000円
- UV 30EX(Xeon E7-8867 v3×4ソケット、メモリ1.5Tバイト)=1374万5000円
- UV 30(Xeon E7-4620 v3×4ソケット、メモリ512Gバイト)=460万9000円
UV 3000(SGI提供)
UV 3000は、既存の「SGI UV 2000」の上位に位置付けられる新しいハイエンドモデル。最大16コアのXeon E5-4600 v3をシングルシステムとして最大256ソケット搭載可能。プロセッサの性能向上で同時命令実行数はUV 2000の2倍になったという。
40%高速化されたDDR4 SDRAM規格のメモリを64Tバイトまで搭載でき、大規模で高速なインメモリシステムを構築できるという。ノード間転送技術としてSGI独自のNUMAlinkインターコネクトを実装し、各ノードごとに搭載されたメモリを単一の巨大なメモリ空間として利用できる。計算集中型で高速なアルゴリズム処理が必要な科学シミュレーションやコンピュータ支援エンジニアリング(CAE)、数値流体力学(CFD)などに最適としている。
UV 30は、従来製品の「SGI UV 20」の後継となるエントリーモデル新製品で、同じくXeon E5-4600 v3を最大4ソケット搭載できる。共有メモリは、従来製品の2倍となる最大3Tバイトまで搭載可能となり、DDR4 SDRAM規格もサポート。高さ2Uのラックマウント型サーバで、小規模なHPC用途や開発機として最適と説明している。
既存ミッドレンジモデルのUV 300とUV 30EXには、最大18コアのXeon E7-8800 v3を搭載した新モデルを追加。両モデルとも、ほかの新製品と同様に最新のDDR4 SDRAM規格をサポートする。
UV 300の新モデルは、従来モデルと比較して、シングルシステムとして搭載できる最大ソケット数が2倍の64ソケット、最大メモリ容量も従来の24Tバイトから64Tバイトに拡張された。NUMAlinkインターコネクトを実装し、ラック2台の構成で業界最大という64Tバイトの共有メモリを利用できる。データ集中型でI/O負担が大きいデータ解析、ビジュアライゼーション、リアルタイムストリーミングなどに最適としている。
UV 300の1シャーシモデルであるUV 30EXは高さ5Uのラックマウント型サーバ。新モデルでは同プロセッサを最大4ソケット、最大6Tバイトのメモリを搭載できる。
今回の発表でSGI UVシリーズは、ハイエンドモデルがUV 3000とUV 2000、ミッドレンジモデルがUV 300とUV 30EX、エントリーモデルがUV 30と計5機種のラインアップになった。すべての機種でSUSE Linux Enterprise ServerかRed Hat Enterprise Linuxが稼働する。