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インフォア、クラウドCRMを提供へ--Salesforceと競合できる

怒賀新也 (編集部)

2015-08-28 16:13

 インフォアジャパンは8月28日、自社イベントを開催した都内のホテルで記者説明会を開催し、新SaaS「Infor CRM」の提供を2016年4月までに日本で開始すると発表した。Infor CRMを使う際に、ユーザーはオンプレミスとクラウドを必要に応じて選択できる。クラウドの場合、システム基盤がAmazon Web Services(AWS)ベースであることも特徴としている。

 製造業向けERPであるBaaNやBPCSなど買収したソフトウェアや、自動車や製造業、ファッション業界向けなど業種に特化したソフトウェアを提供する同社。既存のERP製品をバージョンアップするのと並行して、クラウドERPへの移行を促す「Infor Upgrade X」プログラムを日本で展開してきた。

 今回、Infor CRMにより顧客管理やマーケティング視点の機能を追加することで、クラウドソフトウェアスイートである「Infor CloudSuite」を、より幅広いニーズに対応できるように強化する。

 米Inforは2014年8月に米Salslogixを買収するなど、クラウドCRM分野への投資を強化している。Infor CRMはすでに米国で2500社以上の企業が使用しており、その半分がクラウドベースだという。

エグゼクティブバイスプレジデントのJohn Flavin氏
エグゼクティブバイスプレジデントのJohn Flavin氏

 Infor CRMについて、来日したエグゼクティブバイスプレジデントのJohn Flavin氏は「案件発掘から引き合い、商談、見積もり、契約サービスという流れ全体を継続的にカバーできるもので、Salesforce.comと十分競合できる製品に仕上がっている」と話す。

 また、製造業での注文管理や製品仕様管理、企業業績管理をはじめ、流通卸、ヘルスケア、公共など業種に特化した形でのソフトウェア提供もしていく。

 技術的には、バックエンドとフロントエンドを接続する基盤「ION」が特徴的な機能。XMLで記述したインターフェースを通じて、Infor Appsだけでなく、サードパーティのソフトウェアやデータベース、Infor BI、複数ERP間など、さまざまなシステム間を接続できるようにした。

バックエンドとフロントエンドを接続する基盤「ION」
バックエンドとフロントエンドを接続する基盤「ION」

 ユーザーインターフェースについては、いわゆるITのコンシューマライゼーションの流れに沿い、「FacebookなどのSNSを使いこなすミレニアル世代などが自然に使えるようなデザインを意識した」とFlavin氏は話している。

若い世代を意識したインターフェースを実装した
若い世代を意識したインターフェースを実装した

 Inforは、買収などの経緯により、特に製造業向けの老舗ERP製品とユーザーを抱えている。そのため、メッセージとしても、特に製造業の未来を意識したクラウドERPビジネスを打ち出している。自動車にセンサを取り付ける「スマートカー」分野なら、自動車部品のパフォーマンスをリアルタイムに把握し、消耗した部品を自動発注するといったビジネスの方向性に注目しているという。

 IoTを利用した製造業の新たな収益機会の獲得を、ソフトウェア企業として提案する考えだ。インフォアジャパンの社長を務める尾羽沢功氏は「製造側のソフトウェアであるERPと、販売やマーケティングを担うCRMを統合することで、強い事業モデルを構築する」という今後の方向性について触れた。

日本法人の社長を務める尾羽沢功氏
日本法人の社長を務める尾羽沢功氏

 CRM分野には、先行するSalesforceを、Microsoftが全社を挙げて追いかけるという構図があり、製造業に多くの顧客を抱えるInforが本格参入することで、市場としての競争激化も予想される。

 サプライチェーン管理システム(SCM)分野で直接材を対象にしたクラウドベースのビジネスネットワークを持つGT Nexusを買収することにも触れた。グローバルで12兆円(1000億ドル)の取引があり、66カ国で10万人の利用者がいるという。30の金融機関と提携して融資やクレジットサービスを提供していることも特徴。サプライチェーンにおける部品購入だけでなく、資金調達など財務的な機能を組み合わせている点に独自性があるとしている。買収手続きが終了していないためまだ構想段階だが、アジア太平洋地域担当プレジデントのTim Moylan氏は「SCMを可視化し、包括的なコマースクラウドを構築したい」と話した。

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