インフォアジャパンは12月25日、日本市場でもAmazon Web Services(AWS)で稼働する、同社の主要な統合基幹業務システム(ERP)パッケージのクラウド版の提供を開始した。既存のオンプレミスのERPをクラウド版に移行する「Infor UpgradeX」プログラムの提供も開始した。
クラウドERPはサブスクリプションモデルで提供し、税別の参考価格は1ユーザーあたり最低価格が月額約1万3000円から。クラウドでの提供が開始されるのは、以下の3製品。
- Infor CloudSuite LN:Infor LN(旧Baan)から移行
- Infor CloudSuite M3:Infor M3(旧Movex)から移行
- Infor CloudSuite SyteLine:Infor SyteLineから移行
企業が実際にクラウドERPを検討する現場では、新規海外拠点で早期に立ち上げたいといったニーズや、現行の基幹業務システムをクラウドで補強、高度化したいというニーズ、もしくはその両方を組み合わせたニーズなど、企業のさまざまな需要に柔軟に対応できるクラウドERPが求められていると説明する。
多くのベンダーが、オンプレミスとクラウドでそれぞれ異なるERP製品を提供しているのに対し、インフォアジャパンでは12月19日に自動車業界向けサービスを先行して提供開始した業種特化のクラウドERP「ソリューションスイート」に加えて、提供を始めるクラウド版と、オンプレミスからクラウドへと移行するUpgradeXを提供することで企業のさまざまなニーズに応えられるとしている。
クラウドERPはサブスクリプションモデルとなっており、予算計画が容易に立てられるだけでなく、インフォアジャパンがユーザー企業に代わりクラウド上のシステム管理やサポート、トレーニング、最新版へのアップグレードを継続的に提供する。
UpgradeXは、インフォアの業種別機能に強みを持つ各オンプレミスのERPの資産を直接クラウド上に移行し、システムの保有コストを削減、サービス中断時間の短縮による災害復旧(DR)対策を実現できるという。クラウド版の各ERPは最新のInfor 10xバージョンに対応しているため、企業はこれまでの独自のカスタマイズをしたシステムに代わり、最新の業種別の機能や分析機能を即座に利用できるとしている。
UpgadeXでの移行を1年後までに20社、新規のクラウドERP導入と合わせて2015~2016年度に全売上のうちクラウド関連で25%とすることを目標としている。