クラウドナンバーワンへの鍵を握る「生粋の人材」--オラクルの首藤氏に聞く - (page 3)

Emi KAMINO

2015-09-12 07:00

 そうした中で、首藤氏に再度転機が訪れたのは入社4年目。社内で部署異動の打診があった際に、国内でインサイドセールス部門を立ち上げるプロジェクトにあえて志願した。その理由は、「当時シドニーにその部隊があり、西部支社の先輩が2人赴任していたので自分も行ってみたいと希望しました。しかし、最初は同じ支社から3人もメンバーが抜けてしまうのはさすがに厳しいと言われてしまいましたが、支社長自身が後押しをしてくれ、希望を叶えることができました」と語る。

 首藤氏によると、オラクルの社風は「やりたいと言ったものに対して、それが理にかなっていて、会社の利益になるとわかっていれば、比較的挑戦させてくれる会社」。また、社内の組織階層がフラットで風通しがよく、一般社員と役員との距離が短いことも挙げる。「会社が複数合併して、もともとはオラクル社員でなかった人も多く、元来の社風は薄れつつあるとは思いますが、組織におけるヒエラルキーの平坦さは今も変わっていません。新人社員が役員の自宅で食事をするといった交流の機会も弊社では珍しいことではありません」と続ける。

 一方、IT企業としてのオラクルの特徴について「投資の面でも人材の面でも開発部隊が強い会社。事業収益の基本を担うのは製品群で、テクノロジにシフトしたビジネスモデルが競合他社との違いと言えます」と分析。その上でグローバルなIT系企業の一員として働くことの醍醐味を語る。

 「世の中が変革して必要なものも変わっていきます。技術もそれに追随していくものですが、開発と営業との距離が近いため、ロードマップ的なものも含めた最先端の技術に触れることができるのが面白いです」

 前述の半年間のシドニー赴任の経験について、「現地でダイバーシティを感じることができたのは大きかった」と、自身の帰属意識やモチベーションに大きな影響を与えている旨を明かす。「オラクルをグローバルカンパニーとして改めて認識することができました。その企業の一員として働いていると考えることで、物事をより一層マクロな視点から考察することができるようになったと思います」と首藤氏。

 また、赴任中は、テレビ会議やウェブ会議など最先端のコラボレーションツールを駆使することで、ミーティングや情報共有などのコミュニケーションを日本とは離れていながらも円滑かつリアルタイムに行っていたという首藤氏。こうした体験を通して、「それまでは、人とのコミュニケーションはFace to Faceでなければならないという考えがありました。しかし、それも場合によるもので、遠隔地からの電話やネットを使ったコミュニケーションも意外と受け入れられるものだということに気付き、最新のテクノロジによって働き方も大きく変わることを実感しました」と、自身のビジネスマインドにも大きな変化をもたらしたと話す。

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