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「PCのデル」後の舵取り--デル新社長の平手氏

末岡洋子 怒賀新也 (編集部)

2015-09-24 19:12

 Dellが「ソリューションベンダー」を目指してPC、サーバ、ストレージ、ネットワーク、ソフトウェアと領域を拡大して数年がたつ。この8月、日本法人社長に平手智行氏が就任した。日本法人の新しい顔は、IBMやベライゾンで要職を務めた経歴を持つ。重視するのは「顧客起点」だ。

 「元気な社員をもっと元気にして、ソリューションをきちんと提供していく」と優先課題を語るほか、IBM時代に影響を受けたという伝説の経営者、Louis Gerstner氏とDell創業者兼最高経営責任者(CEO)のMichael Dell氏との共通点も分析する。

--PCメーカーとして創業して31年、Dellはどこに向かっており、日本でそれをどう実現していくのか?

Dellの日本法人社長に平手智行氏
Dellの日本法人社長に平手智行氏

 グローバルで見たときDellの方針は「顧客への提供価値を高める」――これに尽きます。Michael Dellが創業時から追求してきたことでもあります。当初はPCを利用する顧客を対象に、改造により価値を高めるということでスタートしました。

 この8年間、ソフトウェア、ストレージ、セキュリティ分野を中心に会社を拡大してきましたが、ここでも同じことが言えます。顧客の業務がそれぞれの市場の中で複雑になり、痛みのポイントが広がったり、推移したりしていく状況にあり、業務課題も変わっています。Dellは顧客の業務課題に合わせて必要なものをそろえたり、先回りして今後必要になるものを提供したりしていきます。

 Dellは2013年2月に非公開化を発表し、同年10月に完了しました。現在、世界で3番目に大きな個人企業といわれています。この形式を選んだのは、顧客が直面している変化のスピード、チャレンジの振れ幅が大きく、ゆっくり変革を進めるという選択肢がなくなっているからです。顧客をしっかりと支援する方向にシフトするために、非公開企業になることを選びました。

 エンタープライズ向けのITインフラの品ぞろえを拡充した結果、この分野は着実に成長しています。米国ではITサービスのPerot Systemsを2009年に買収しており、サービスとしての提供も進めています。北米を除く市場ではまだ途上ですが、世界レベルでこういったものを加速していきます。

 先日、Michael Dellに会いましたが、物凄い情熱の持ち主です。顧客のためにやりたいというパッションに感銘を受けました。Michaelがよく口にするのが、”We can change the world with power of idea”(アイデアの力で世界を変えることができる時代)という言葉です。

 昔はアイデアがあっても技術的制約などにより、実装や実現が難しかった――実はビックデータもIoT(モノのインターネット)も以前からあるアイデアです。今、これらはITで実現できます。ITの力があれば、新しいビジネスアイデアで世界を変えられます。Michaelのこの思いは強く、私も共感しています。

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