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「PCのデル」後の舵取り--デル新社長の平手氏 - (page 2)

末岡洋子 怒賀新也 (編集部)

2015-09-24 19:12

--提供価値を高めるとは具体的にはどういうことか?

 これまでDellは単品の製品として価値を提供してきました。例えば、SAP HANAなどでいち早く認定プラットフォームとなり、最高レベルのパフォーマンスを出しています。また、エンジニアリング系の製品出荷台数では世界ナンバーワンです。

 解析系、CAD系など代表的なソフトウェアがありますが、メモリやI/Oのバランスなどをラボでテストしており、顧客が解析ソフトウェアを使いたい場合には、事前検証した最適な環境を即座に提供できます。これはハードウェアベンダーとしての提供価値と言えます。

 このような単品での価値に加えて、つながった状態で、複数の製品が統合され、プラットフォーム化されて顧客に提供するという新しい価値も提示していきます。単品から品ぞろえになり、さらに統合されたシームレスに利用できる状態で届けることで、顧客のワークロードや時間的な負荷を軽減できます。

--ソリューションへのフォーカスを打ち出して数年、市場ではいまでも「PCのDell」というイメージが根強い。社長に就任後、日本でこれをどのように変えていくのか?

 PCからサーバにシフトしたとか、PCの環境をやめたということではありません。これはわれわれの伝統的な本業であり、品ぞろえを拡充していきます。

 例えば、最新の薄型ノートPC「XPS 13」は、企業でもコンシューマーでも利用できるフラッグシップです。PCの領域でもどんどん品ぞろえを増やしていきます。

 一方で、ソリューションでは、サーバ、ストレージ、それを管理するソフトウェア群、全般に関係するセキュリティなどの領域が必要になってきます。今、Dellはそれらを単品で届けていますが、ここを変えていきたいと思っています。

 日本は伝統的にシステムインテグレーターが顧客と一緒になってインテグレーションポイントを作り、プロフェッショナルのプロジェクトマネージャーが単品のコンポーネントを集め、顧客に必要な形にしてソリューションを作っていきます。ソリューションは製品やサービスで構成され、これらがきちんと縫い合わされた形で入っているわけですが、これを提供するエコシステムにわれわれも入っていきたい。

 シームレスで統合されたプラットフォームとアプリケーションとのきちっとした連携を実現するためには、複数の企業が顧客のために手を取り合う必要があります。このエコシステムに入ることで、われわれが提供できる製品、ソフトウェア、セキュリティなどをサービス、ソリューションにしていくことができます。

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