最先端のITとエレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2015」が10月7~10日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される。
CEATECは、電子情報技術産業協会(JEITA)、情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)の3団体で構成されるCEATEC JAPAN実施協議会が主催。今回は「NEXT-夢を力に、未来への挑戦」をテーマに、531の社と団体(海外は19の国と地域から151の社と団体)が出展。最新の技術、製品などが展示される。
JEITA会長を務めるとともに、CEATEC JAPAN実施協議会の会長も務める水嶋繁光氏(シャープ取締役会長)は開催前日の記者会見で「今年で16回目を迎えるCEATEC JAPANは、世界最先端の技術、製品、サービスが一堂に会する総合展示会。国民生活を豊かに変えていくための展示会」と位置付けを説明した。
JEITA会長でCEATEC JAPAN実施協議会会長の水嶋繁光氏
「特に近年はIT、ビッグデータの利活用で豊かな生活の実現とともに、生産性を高める役割を果たしており、政府の政策とも連動している。そこで、今年は、政府によるサイバーフィジカルシステム(Cyber Physical System:CPS)、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)エキシビションとして2020年の社会や生活がどのように変わるのかといったことを提案するものになる」(水嶋氏)
キーファクタはIT業界にある
2000年に第1回目が開催されて以降の約10年間は、テレビやスマートフォンなどの最新家電製品の展示が中心だったが、2010年からはエネルギー産業や自動車産業などの他産業との連携が増えていた。
CEATEC JAPAN 2015運営委員会の菊嶋隆史氏は、「CEATEC JAPANは新しい家電製品の登場など社会の変化を反映させながら、テーマや展示を変化させてきた」とこれまでを解説した。
続けて菊嶋氏は「今年からはCPSと、それを構成するIoTを重点分野として定め、ITやエレクトロニクスの技術革新と、実世界とサイバー空間の情報連携がもたらす新たな社会の実現に向けた最先端の取り組みを紹介することになる。CPS/IoTは、生活や社会を豊かにする次のテクノロジであり、CPS/IoTを構成するキーファクタは、ITエレクトロニクス業界にある」と今年の特徴を説明した。
「他産業やベンチャー企業、海外企業との連携も欠かせない。電子部品やデバイス、ホームエンターテインメント、パーソナルツールといったもののの展示に留まらず、自動車をはじめとする他産業との連携を進めるCEATEC JAPANは、CPS/IoTの取り組みや情報を発信する最適な場であると考えた。CEATEC JAPANが、CPS/IoTを重点分野としてシフト、フォーカスしていくのは当然の動きである」(菊嶋氏)
経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課 課長補佐 津脇慈子氏
総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信課 課長補佐 高橋文武氏
CPS/IoTの取り組みとして、2020年の社会や生活がどのように変わるのかを示す特別企画「NEXTストリート」を実施。初出展となる近畿日本ツーリストや楽天などとの連携で2020年の社会を感じさせる先進的なサービスや技術を展示するという。CPS/IoT展示マップを特別に用意。来場者に配布して、CPS/IoT関連の展示に誘導する。CPS/IoT関連で約40のセッションを用意するという。
モノとサービスが融合
経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課 課長補佐の津脇慈子氏は、「IoT、ビッグデータ、AI(人工知能)の新時代を迎えており、モノとサービスが個々の価値を発揮していた状況から、これらが融合し、新たな価値を生んでいる。CEATEC JAPANは、IoT新時代を見える化する新たな展示会に位置付けられる」とコメントした。
総務省 総合通信基盤局 電波部移動通信課 課長補佐の高橋文武氏は、「CEATEC JAPANは国内外に技術をアピールする重要なイベント。今回は5G(第5世代移動体通信)に関するセッションが用意され、これを日本から発信していく」とイベントの意義を語った。
「既存のスマホ利用であれば、超高速となる5Gインフラは必要ないが、IoT時代やクルマの自動走行時代には多くの端末が同時に接続され、リアルタイムに処理されることが求められる。新たなビジネスを生むものになる」(高橋氏)
特別企画「NEXTストリート」ブース