SAPは現地時間10月13日、「SAP Cloud for Analytics」を発表した。クラウドとオンプレミスの両方にある複数のデータソースからのデータを分析するSaaSツールとなる。
SAPは2月、エンタープライズ向けの分析レイヤとなる「SAP Cloud for Planning」をローンチしている。SAPはプランニングを新しくしており、ビジネスユーザーをターゲットとしたビジネスインテリジェンス(BI)機能を加えた。2016年には予測分析機能を加える予定だという。
SAP Cloud for Analyticsは、単一のコードラインとSAPのHANAシステム上に構築されている。SAPの狙いは、エンタープライズ顧客がデータをクラウドに移行させる代わりにSAP Cloud for Analyticsを利用することだ。同社の分析クラウドはBI、プランニング、予算、予測のアルゴリズムを1つにして、統合されたワークフローとして利用できるとSAPは主張している。同分析ツールは「Google apps for Work」にも統合できるという。
Amazon Web Services(AWS)は先週、「QuickSight」を発表している。データセットをクラウドに動かして簡単に分析できるというものだ。QuickSightにより、AWSは競争的な価格でBI市場に参入した格好だ。Salesforceも分析クラウドサービスを提供している。
SAPはSAP Cloud for Analyticsのサブスクリプション価格をまだ開示していないと、分析マーケティング担当シニアディレクターを務めるNic Smith氏は述べた。
エンタープライズは1つの分析レイヤを使ってデータを視覚化するとSAPは考えている。SAP Cloud for Analyticsは組織の中の役割にあわせたビューも提供する。注目すべきは、分析の利用が続くかどうかだろう。結局のところ、分析プラットフォームが利用するSAPアプリケーションの多くが同じような機能を組み込んでいるのだ。
ポイントとしては、以下の4つとなる。
- SAP Cloud for Analyticsはさまざまな製品に分散するすべての機能を1つのツールに入れたものとなる。
- 分析ツールはスタンドアロンとしても組み込むことができる。
- 「コンシューマーグレード」のユーザーインターフェースを備える。
- SAPアプリケーションとのネイティブ統合によりデータへのアクセスが容易になる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。