ただ、日本企業のフィールドサービスはグローバルに比べて品質が高いといわれる。それは同社も十分認識しており、事業展開にあたっては「日本基準」を前面に打ち出すとしている。果たして日本でもしっかりと根付くサービスとなるか、注目しておきたい。
「新特許でIT活用の利便性とセキュリティ対策を同時に解決したい」 (応用電子 矢野正博 代表取締役社長)

応用電子の矢野正博 代表取締役社長
ソフトエンジニアリング会社の応用電子が先ごろ、企業内ネットワークから外部インターネットへの接続を安全かつ簡便に実現する仮想通信システム「Virtual Desktop Sandbox(VDS)」を開発し、基本特許を取得したと発表した。矢野氏の冒頭の発言は、その発表会見で、新特許の活用について語ったものである。
新特許の対象となったのは、個人情報などが格納されたサーバや企業内ネットワークに接続されたPCから外部インターネットに接続する際に、仮想デスクトップやサンドボックスなどの技術を応用し、安全性の高い接続を提供する仕組みだ。
具体的には、企業内ネットワークと外部ネットワークの間に、入口と出口の2つのファイアウォールで防御された仮想マシンを置き、これを仮想デスクトップのサンドボックスとして機能させる。また、企業内ネットワーク側に認証サーバが置かれているため、内部ネットワーク側から外部ネットワークへのアクセス権限も厳格かつ柔軟に管理することができる多層防御構造となっているという。

VDSの仕組み
仮想デスクトップ部分はサンドボックスとして機能し、外部からのデータはすべて仮想プライベートネットワーク(VPN)を介して仮想デスクトップ上のVDSウィンドウに表示される。これにより、インターネットからのデータはVDS内でのみ取り扱いが可能になるため、PCへのウイルス感染やサーバへのサイバー攻撃から企業内ネットワークを守ることが可能になるとしている。

VDSが提供するソリューション
同社では今後、VDSを応用したシステムやサービスを官公庁や企業、病院、学校などに提供するパートナー企業の拡充を図っていく構えだ。販売目標としては、2016年度中に、民間企業向けに2万特許ライセンス(20万ユーザー)、官公庁や自治体向けに8000特許ライセンス(8万ユーザー)を目指すとしている。
矢野氏によると、大手事務機メーカーがVDSの活用に踏み切ったという。今後、どれだけ採用が広がっていくか、注目しておきたい。