レッドハットとシスコシステムズは11月2日、OpenStackベースの統合ソリューション「Cisco UCS Integrated Infrastructure for Red Hat Enterprise Linux Open Stack Platform(UCSO)」を、日本で展開すると発表した。
この協業により、Cisco Unified Computing System(UCS)、Cisco Application Centric Infrastructure(ACI)、Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platformを組み合わせたRed Hat Enterprise Linux OpenStack Platform向けのCisco UCS統合インフラストラクチャ(UCSO)が、シスコの国内認定販売パートナー、レッドハットの国内OpenStack認定パートナーを通じて同日より提供開始される。
また、両社では同ソリューションの提供開始に向け、レッドハットのプロフェッショナルサービスとシスコのアドバンスドサービスのエンジニアが連携し、顧客へ迅速に対応できるサポート体制を構築した。この導入サポートにおいては、シスコ検証済みデザイン「Cisco Validated Design:CVD」のOpenStack版を用いることにより、ユーザー企業の負担なく導入が可能になるという。
OpenStackは、企業におけるクラウド基盤プラットフォームとして重要度が高まっている一方、その導入に関しては、リソースやアプリケーションの管理、IT管理の簡素化や、アプリケーションの移行など数多くのハードルが実在する。
企業においてはセキュリティやガバナンスの懸念も抱えているが、OpenStackベースのクラウドを構築、管理できるエンジニアが不足していることから大企業レベルのサポートが求められている。両社では今回の協業について、こうした日本の企業ユーザーのOpenStackベースのクラウド導入の懸念を払拭するものになるとしている。
今後、両社は共同であらゆる業種、業態、規模の企業に対し、OpenStackベースのクラウド構築を、統合され、信頼性が高く、導入しやすい形で、自動化された管理とプロビジョニングを提供する。これにより、設備投資の低減だけでなく、日々の運用コストの削減にも貢献するとのこと。プライベートクラウド環境におけるビジネスの俊敏性を実現するために、以下のマーケットセグメントの顧客を見込んでいる。
- パブリッククラウドサービスを代表するサービスプロバイダー、マネージドサービスプロバイダー、プライベートクラウドインフラを提供するシステムインテグレーター
- 自社の大規模なプライベートクラウド環境をデザインする中堅、および大企業
- 通信事業社、パブリックセクター、金融事業社、モバイルゲーミングセクターなど大規模でスケールアウト型のオンデマンドなITが求められるユーザー