ZALORA--ASEANのZOZOTOWN
ZALORAは東南アジア各国で展開しているファッションECサイトだ。現時点では80万人ほどのユニークユーザーがインドネシアで利用しているという。年代は、圧倒的に18~24歳、25~34歳のセグメントが多く、利用者の男女比は女性6割、男性4割だ。
基本的にはアパレルのオンラインショッピングサイトだが、そこに東南アジア的な要素を織り込んで展開をしている。商品は、各国のニーズに合わせてグローバルなブランドだけでなく、自社ブランドや、民族衣装も展開している。
モバイルアプリケーションもすでに使えるようになってしており、現時点ではモバイル経由での購買はデスクトップ経由のそれには及ばないが、インドネシアでも顧客のすそのはモバイル経由が多く今後はその層への浸透を見込んでいる。
ZAROLAによると、プロモーションについてはクリックに結び付きにくいテレビコマーシャルではなく、Facebook上の告知に加えて、ターゲットクーポンの配布によって顧客を獲得しているという。さらに彼らが重視しているのはインフラ面での対応だ。ジャカルタおよびその郊外の都市地域では、自社で配送業を手掛け、同日配送が可能なオペレーションを組んでいる。
また、前述のようにインドネシアでは、クレジットカードがほとんど普及していない。そのため、利用を増やすためにキャッシュオンデリバリにも対応しており、実際に50%以上の決済を占めている。
GO-JEK--バイクタクシー版Uber
インドネシアではバイクタクシー(インドネシアではオジェックと呼ぶ)が広く使われている。特に、ジャカルタは世界一渋滞が酷い都市という調査もあり、車では短時間で移動できない場合にオジェックを使う人は多い。一方で、オジェックは誰でも開業できてしまうため、安全性への疑問や、メーターもなく料金が不明瞭、ヘルメットが使い回しで衛生的でない、といった問題もあった。
GO-JEKはオジェックでの配送サービスを提供しており、今年からモバイルアプリケーションを活用したサービスを開始したことで爆発的にビジネスを拡大させた。アプリケーション上で配車場所と送迎先を指定すると、料金・所要時間・オジェックのドライバーが表示される。更に個別にヘルメットカバーを配り衛生にも配慮したサービスを提供する。
GO-JEKも、ウェブ上で価格が表示され、サービスを受けたときにキャッシュを払う仕組みになっており、クレジットカードを持たない層でも利用できる。
また、単に交通手段としてだけでなく、食料品/惣菜のデリバリサービス・ショッピング代行サービス・宅配サービスとしてもオジェックを活用できる。オジェックのドライバーからしてもこれまで週に10回仕事があるかどうかだったところが、1日に数件うまくいくと10件の仕事が取れるようになっているという。
筆者の周りでも、これまでオジェックを積極的に活用していなかった女性なども、安全面や衛生面でも信頼ができるということでGO-JEKを使っているという話をよく聞く。