日本はEコマース(EC)の利用が当たり前になっているが、インドネシアでもテクノロジの発展と所得の増加に伴って、EC業界は急成長している。日本からもソフトバンクやイーストベンチャーズなどが現地のEC企業へ投資を行っている。
今回は、インドネシアのEC業界の概況および、新興国特有のポイントについてみていきたい。
Indonesia’s eCommerce Landscape 2014によると、インドネシアのインターネット利用人口は2013年時点で、約7500万人(約30%の浸透度)、2016年には1億人(約40%の浸透度)を突破するといわれている。インドネシアでECを利用しているのは、2013年時点で約460万人、2016年には870万人に達すると予測されている。
インドネシアの小売市場規模は、2013年時点で約36兆円といわれており、それに占めるEC市場規模は約180億円の0.5%で、2016年には0.8%程度に伸長すると予想されている。
経済産業省の産業動態統計によると日本の2013年時点でのEC市場規模が小売市場全体の4%程度といわれており、日本のそれと比較してもインドネシアのEC市場の規模・浸透度は低いが、ここ数年の年平均市場成長率は35%を超えて伸びている。
インドネシアの消費者のインターネット利用及び・EC活用の特徴にはどういった点があるのだろうか。
利用デバイス
安価なスマートフォンが普及している中で、より多くの顧客にサービスを提供するためには、モバイルアプリケーションの活用が必須だ。以前はインドネシアでは、ブラックベリーユーザーが非常に多かったが、昨今は他の新興国と同じで、Androidの比率が高くなっている。
利用しているネットサービス
利用SNSとしてはFacebookが最も多く、WhatsApp 、Twitterと続くという調査がある。
活用しているECサイトは、インドネシアで普及しているBlackBerryの「BBM」などのメッセンジャーグループが27%、オンラインフォーラムが26.6%、SMS経由が26.4%、一般的なECサイト20%となっている。
決済手段
ECでの決済手段は、57%が銀行振り込み、28%がキャッシュオンデリバリ(代引き)、クレジットカードが7%、その他残り8%となっている。インフラがまだ整っておらず、クレジットカードユーザーが人口全体の4.5%しかないため、銀行決済や代引きがほとんどを占めている。
新たな商品サービスに対する許容度
中国やインドと比較すると新しいものへの許容は遅く、自分を最も早く・比較的早く新しいサービスを手に入れるタイプだと答えた割合がインドネシアは41%、中国は52%、インドは60%だった。
インドネシアでは、アーリーアダプターが相対的に少ないことからもわかるが、ECサービスの利用に対する抵抗感が依然としてあり、自分の知っているコミュニティでサービスを利用したいというニーズがまだ強い。そのため、メッセンジャーグループやオンラインフォーラム(Facebook上のサイト)の利用も活発だ。