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「Windows 3.1」含む空港システムで障害発生--時代遅れのテクノロジは悪なのか? - (page 2)

Zack Whittaker (ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2015-11-27 06:15

 古くなり、陳腐化している航空管制システムは、オルリー空港に限った話ではない。欧州だけを見ても、数多くのシステムが老朽化し、「用をなさなくなっている」と批判されている。

 英国では2014年12月、航空管制システムがソフトウェアのバグによって異常停止し、各地で飛行機の欠航が相次ぐという事態が発生した。英国南部の中央航空管制センターでは400万行以上のコードからなる約50ものシステムが稼働しており、そのなかの1行のコードに欠陥があったという。

 こういった事態を受け、英国の航空管制サービス機関(National Air Traffic Services:NATS)の最高経営責任者(CEO)は、インターネットをベースにした近代的なシステムへの移行を5年計画で進めているところだと述べた。

 一方、米ZDNetの姉妹報道機関であるCBS Newsが2014年に報じたところによると、米国の核ミサイルを保管している一部の軍施設では、数十年前のフロッピーディスクを用いたシステムがいまだに運用されており、サイバー攻撃を抑止するためにインターネットにも接続されていないという。

 Jack Weinstein少将はCBS Newsに対して、「われわれは数年前、全ネットワークに対する徹底的な分析を実施した。サイバーエンジニアらはシステムが、その開発手法によって極めて安全かつ極めてセキュアなものとなっていると結論付けた」と述べ、このためシステムは当面の間、現状を維持することになると付け加えた。

 「これらの古いシステムは、世界中で現在問題となっているサイバー攻撃に関して言えば、極めて安全であると断言できる」(Weinstein少将)

 確かに、理論的にはボタンに触れるだけで済む場合でも、人間のオペレーターを介在させ、ディスクを実際に挿入させるというのには意味がある。一定レベルの複雑さがあることで潜在的な過ちを、そして大惨事を抑止できるのだ。また、ミサイルサイロがインターネットに接続されていても、核発射プログラムが物理メディアに搭載されているのであれば、ネットワークに侵入されたとしてもハッキングは不可能だ。

 このような古いシステムには利点があると言える。その存在が忘れられてしまえば、攻撃される可能性は低くなる。また、「壊れていないものを修理するな」という格言もある。しかし、何かが壊れることは避けられず、その際には何かを捨て去る必要もある。

 一部のシステムは、あまりにも古く、陳腐化しているため、今日における多くのシステムに比べると攻撃対象となることは少ない。その一方で、不正アクセスやデータの漏えい、DoS(サービス拒否)攻撃を避けられるようにするためのメンテナンスやパッチ、アップデートがないという短所もある。航空管制システムにこういった被害が発生した場合、一国の経済に大打撃がもたらされる恐れもある。

 Slateの記事から言葉を借り、本記事を締めくくりたい。これは、攻撃の標的にならない程度に陳腐化しているテクノロジと、機能するうえで十分に新しいテクノロジという微妙なバランスの話なのだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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