米国のマサチューセッツ州ケンブリッジに本拠を置く医療情報企業Medullanは、製品をより早く市場に出す方法を求めて、顧客とともにアジャイルを推進した。Medullanのプログラム管理担当バイスプレジデントであるTim Smith氏によれば、同社の経営陣は、アジャイル開発の手法を用いたリーンな製品管理アプローチで問題解決に臨んだ。
Smith氏によれば、今ではアジャイルが会社のあらゆる側面を変えたという。
「社内や顧客との間で使う言葉から始まり、問題へのアプローチ方法、雇用する人材のタイプに至るまで、変化しなかったことはない」とSmith氏は述べている。
アジャイルを必要とするのは誰か
流行だからといって、アジャイル開発が読者の組織に適しているとは限らない。前述の調査の回答組織のうち、アジャイルの取り組みが成功だったとしているのはわずか53%にすぎない。
Wolberg氏は、アジャイル開発は生産性とスピードの面でも効果があったが、組織全体に透明性をもたらしたという点での恩恵が大きかったと述べている。
「CEOから各スクラムのメンバーに至るまで、全員がコミットメントに対する進行状況や、予想される完了日を知ることができる」と同氏は言う。
このように、もし読者の組織が生産性やスピードを必要としているか、何が起こっているかを可視化したいのであれば、アジャイルは適しているかもしれない。またWolberg氏は、アジャイルは小規模の会社と大規模な会社のどちらでも効果を発揮するとしながらも、本当に効果があるのは、成長や拡張性に関する問題についてだと話す。
Smith氏は、リーン開発やアジャイル開発の手法を用いている「プロ」は、大きな問題を解決する際に当て推量をしなくなっていると述べている。これは、チームが「正しい問題を正しい手法で解決している」ことを確認するために有効だ。
しかし、Medullanは及び腰の顧客から抵抗を受けることもあると同氏は話す。ITに対する従来のアプローチは、多くの業界に深く刻み込まれており、医療業界はその1つだ。ただし、顧客を説得できてしまえば、後戻りすることはないとSmith氏は言う。
アジャイルITの導入を検討しているのであれば、ビジネスパートナーとの間に特別な関係を作り、何を求めるかを共同で明確にする必要があることを念頭に置いておかなければならない。一般的な提供者と購入者の関係のままであれば、問題が発生する可能性がある。
「アジャイル開発は、短期間に少しずつ価値を提供するものだが、この手法を活用するには、組織に変化を取り込み、積極的に協力し、その取り組みが組織が進化するための課題を突きつけてくることを容認できる必要がある」とSmith氏は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。