それでも試練の時は続く
HPEとHP Incは、旧HPの事業が抱えていたさまざまな困難に直面している。HPEとHP Incの最新の業績報告では、旧HPの6つのコアグループのうち5つ(パーソナルシステム、プリンティング、ソフトウェア、エンタープライズサービス、金融サービス)で売上高が落ちた。サーバ製品やネットワーク製品などを扱うエンタープライズグループだけが、小幅ではあるが、前年比で2%の伸びを見せている。
HPEはエンタープライズサービス事業を継承しており、売上は十億ドル単位ではあるものの、営業利益は2015年第2四半期までの5年間で40%近く減少している。
重要な分野で大きく業績が悪化する中、旧HPとその後継会社は、この数年でかなりのコストダウンを進めている。HP Incは2015年11月までに5万8000人の労働者を解雇するとしており、HPEは年間経費を27億ドル削減するとしている。
前向きなニュースとしては、HPEはクラウド関連事業の成長を見込んでおり、2015年中の同事業の売上高を、前年比20%増の約30億ドルと予想している。
HPEのエンタープライズグループ担当ジェネラルマネージャーであるAntonio Neri氏は、「従来のIT環境は今後も残り、引き続き重要な役割を果たす。しかし、ワークロードは他へ移りつつあり、その大半はクラウド上に移行する」と述べている。
HPEはハイブリッドクラウドプラットフォームを支えるためにMicrosoftと提携し、「Azure」を支えるソフトウェアを利用してプラベートクラウドを構築するための製品を発表した。
HPE Discoverでは、HPEのクラウド管理サービスを強化する計画とともに、「HPE Helion Managed Cloud Broker」も発表されている。このマネージドサービスは、複数のクラウドプロバイダ間で、企業がサービスのプロビジョニング、アクセス、統合、安全なコントロールを行うことを可能にするものだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。