Microsoftは米国時間2015年12月29日、アプリケーション統合サーバ「Microsoft BizTalk Server」を含むさまざまな統合化製品、および「Microsoft Azure App Service」を構成する「Microsoft Azure Stack」や「Logic Apps」関連のロードマップをダウンロード公開した。
このロードマップには「今までの統合は、オンプレミスにおけるシステム間のEAI(エンタープライズアプリケーション統合)か、EDI(電子データ交換)プロトコル(たいていの場合はEDIFACTやANSI X12)を用いるBtoBだった。今日では、企業が統合しようと考えるシステム(そしてユーザー)の多くは、企業のファイアウォールの先に存在しており、セールスリードから請求書の発行、電子メール、ソーシャルメディアに至るまでのありとあらゆるものを取り扱う、APIを中心に据えたSaaSベースのプロバイダーであることもしばしばだ」「さらに現代における統合は、企業のコンピュータシステムではなく、デバイス(モバイル機器のケースが増えている)を起点とする場合がしばしばあるため、統合の対象となる双方においてアプローチを変える必要性が高まっている。こうした変更は、JSONを用いたHTTP/RESTベースの軽量かつ近代的なプロトコルを用いたAPIによって可能になる」と記されている。
Microsoftは2016年第4四半期にBizTalk Serverの10番目のリリースを一般提供する計画だ。同社はそれに先立って第2四半期に「BizTalk Server 2016」のコミュニティーテクノロジープレビュー(CTP)をリリースし、第3四半期に同製品のベータ版をリリースする計画だ。BizTalk Server 2016は「Windows Server 2016」(2016年第3四半期に提供予定)や、「SQL Server 2016」「Office 2016」、最新版の「Microsoft Visual Studio」と歩調を合わせることになる。BizTalkの最新リリースでは、オンプレミスと「Microsoft Azure」上の双方で、SQL Server 2016の「AlwaysOn可用性グループ」をサポートする。
同社は、BizTalk Serverと、Salesforce.com製品やOffice 365向けなどのさまざまなAPIコネクタとの統合を緊密化し、オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境というシナリオに力を入れていく計画だ。また同社は「Host Integration Server 2016」の一部として、「Informix」や「WebSphere MQ」「DB2」向けの「強化、刷新された」BizTalkアダプタとともに、「Windows PowerShell」との統合の強化も計画している。
同社はクラウドの統合、すなわちサービスとしての統合プラットフォーム(Integration Platform as a Service:iPaaS)という側面で野心的なロードマップを描いている。
同ロードマップによるとMicrosoftは2016年第1四半期に、計画していたLogic Appsに対するアップデートのプレビュー版をリリースするという。そして第2四半期にLogic Appsの一般提供を開始するとともに、エンタープライズ向け統合パックのプレビュー版もリリースする計画だ。Azure Stack上のLogic Appsのプレビュー版は第3四半期、一般提供は第4四半期に向けて準備中だ。エンタープライズ向け統合パックの一般提供も第3四半期に予定されている。
Logic AppsはMicrosoftが2015年に発表したAzure App Serviceの一部だ。Azure App Serviceは、「Azure Web Apps」「Azure Mobile Services」「BizTalk Services」の機能を組み合わせたものだ。ロードマップによると、Microsoftは、Logic Appsを顧客自前のデータセンターあるいはホスティングプロバイダーからオンプレミスで、そしてAzureにおいても稼働できるようにする計画だ。
Azure Stackは、Azure(IaaSとPaaSの両方)、「Azure Pack」「Azure Service Fabric」の機能の一部を組み合わせることで、Azureを顧客の自前のデータセンターにもたらそうとしている。Microsoftは先月、Azure Stackのハードウェア要件を公開している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。