IEEE Computer Societyのアナリストの予想が正しければ、2016年はクラウドサービスの価格が低下し、高速化する。コンテナ、そしてネットワーク機能仮想化(NFV)といった技術の受け入れにより、クラウドコンピューティングは大きな進化を遂げると予想されている。
コンテナ技術とNFVは、IEEEが定めた2016年の技術トレンドトップ9に入っている。コンテナは特に、クラウドにアプリケーションを移行しようと考えている企業に人気だ。IEEEのアナリストは「コンテナはクラウド移行にあたって、これまでよりスマートで、経済的な方法となる」と記している。
エンドユーザーにしてみればコンテナは高速に起動するアプリケーションを実現するもので、ITにとってはクリーンでトラブルのないアプリケーション実装を実現する技術となる。「コンテナはアプリケーションをあたかもOSの中で動いている唯一のアプリケーションであるかのように見せるにあたって必要なコンピューティングリソースを提供する。つまり、同じマシン上で動いているほかのアプリケーションコンテナとの衝突がないことを保証してくれるものだ」とIEEEは説明する。
しかし、コンテナがエンタープライズで大きく評価を得るためにはセキュリティが強固なものである必要がある。「コンテナはたくさんのメリットをもたらすが、セキュリティは関門となっている。コンテナの可能性を現実のものにするには、セキュリティを改善する必要がある」とIEEEは記しており、「2016年中に、コンテナはエンタープライズ向けに準備が整ったものとなるだろう」と予想している。
NFVも今後トレンドになると予想されている技術だ。そして、クラウドのコストをさらに下げてくれることが期待されている。今日まで、NFVの採用は技術セキュリティの限界により限定的なものにとどまってきた。また、通信技術企業によるNFV技術の提供も幅広いものではない。「NFVは仮想化されたインフラを提供する新生のテクノロジで、その上に次世代のクラウドサービスをのせることができる。NFVにより、ユーザーに提供されるクラウドサービスの価格は大きく下がるだろう。通信技術企業が標準的な通信サービスとして提供することでさらなる利便性と信頼性も備える」とIEEEは説明する。IEEEではNFVの採用が2016年に始まると予想している。
コンテナとNFVのほかには、5G無線通信、不揮発性メモリ、データサイエンス、高度な機械学習などの技術がトップ9に入っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。