さくらインターネットは1月26日、深層学習(ディープラーニング)など大量の計算資源を必要とする計算処理需要の高まりを受け、“高火力コンピューティング”をコンセプトとした演算能力に特化したサービスへの取り組みを開始すると発表した。
現在、ディープラーニングや人工知能(AI)研究などへの注目が高まっており、大量の計算資源を必要とする技術分野での計算処理需要はますます増えていくと指摘されている。しかし、計算資源の共有を前提とする現在のクラウドコンピューティングは、仮想化と共有でハードウェアのピーク性能を引き出せないという課題があると説明している。
そこで同社では、新しいハードウェアや技術を積極的に利用し、現在のクラウドサービスでは提供不可能な、絶対的な性能と圧倒的な自由度をもつサービスの提供に挑戦する。“高火力コンピューティング”と位置付け、高いコストパフォーマンスと高い性能の両立を実現していくとしている。
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“高火力コンピューティング”に関する取り組みの第一歩として、ディープラーニング分野に強みを持つというPreferred Networksと共同で、画像処理プロセッサ(GPU)をInfiniBandで接続する“GPUクラスタ”を構築する。
Preferred Networksは、自然言語処理技術や機械学習技術分野で世界トップレベルの技術力と注目されるPreferred Infrastructureからスピンオフし、2014年3月に設立されたベンチャー企業。“モノのインターネット(Internet of Things:IoT)”にフォーカスしたリアルタイム機械学習技術のビジネス活用をメインにしている。
さくらインターネットでは昨年秋よりGPUクラスタを構築しており、実運用してきたノウハウをもとに進めていく。
高火力コンピューティングでは、GPUやInfinibandなど既存サービスでは対応の難しかったハードウェア環境はもちろん、極めて高性能な演算資源の提供を計画しており、GPU以外にも用途に応じて依然需要の大きいCPUを利用したサービス、高性能で大容量なストレージを搭載したサービスなどさまざまなラインアップで展開していく。正式サービスは今夏からの提供を予定している。