今回の講演では、Jリーグの公式サイトやトヨタのサイトなどの運用のほか、ドコモのビッグデータ活用業務基盤などの事例も紹介した。認証やセキュリティにも積極的に取り組んでいる。
「米国公認会計士協会が定めた財務報告目的以外の受託サービスに関する内部統制の保証報告書であるSOC2レポートを受領。これは、日本のAWSプロバイダーとしては初めてとなる。IoTはクラウドにつながると便利だが、その一方でセキュリティの問題が発生しやすい。その点を配慮する必要がある」(後藤氏)
アイレット 執行役員 エバンジェリスト 後藤和貴氏
さらに後藤氏は、「差別化戦略は技術、ノウハウがナンバーワンであることが最低ラインとなるが、会社を認めてもらうよりも、コンテンツやタレントに対する信頼感の方が大切である。役員が率先してクラウドを好きになり、売りたくなったことが当社のビジネスをドライブしている。100%の力でやることで他社が追随できないスピード感が発揮できる。その一方で、何度も頻繁に方向性を微調整することで、安心して踏み込める体制が作れている」と語った。
隔月で開催したい
最後に日本オラクルの中嶋氏は、「海外で人気沸騰中のデバイスでIoTの可能性を探る」をテーマに講演。まだ、日本では販売されていない最新IoTデバイス「Flic」について紹介。ボタン形状のFlicは、クラウドにつながっており、このボタンを押すことでさまざまなことができるという様子をビデオで示した。
また、今回のデモストレーションではネットサービス「IFTTT」を活用して、FlicをOacle Cloudに接続。ボタンを押すだけで、子守サービスを依頼できる例を紹介した。IFTTT(If This Then That)は、FacebookやEvernoteなどで個人が作成したり、あるいは公に公開したりしているプロフィールをFacebookやEvernoteなどの間で連携させられるネットサービス。Flicはクリック、ダブルクリック、ホールドという3つの機能を持っている。
実演されたFlic
「Oracle Database CloudはREST APIを標準搭載しており、こうしたデバイスを接続する際に容易であること、また、APIコールは課金されず、コール数制限もないこと、さらに、Oracle App Container CloudでNode.jsをサポートしており、Flicを活用しやすい環境ができている。わずか3時間程度で完成できる」(中嶋氏)
中嶋氏は、会社から自宅に帰るときに、Flicのボタンを押すと妻に「これから帰る」というメールが自動的に送られるという使い方をしているという。
Oracle Cloud Developers Meetupについて中嶋氏は「今後、隔月で開催したいと考えている。講演で使われた資料はオンラインで共有したい」としており、次回のイベントは3月4日に開催する予定としている。