300m先のドローンを検知、監視カメラに画像認識--パナソニックの技術応用力

大河原克行 2016年03月10日 08時00分

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 パナソニックは3月9日、「ドローン検知システム」「監視システムにおけるセキュア技術」「インテリジェント映像監視技術」の3つのセキュリティ技術を説明した。これらの技術は、3月8日から東京・有明の東京ビッグサイトで開催されている「SECURITY SHOW 2016」のパナソニックブースに展示されているものだ。

 パナソニック システムネットワークス セキュリティシステム事業部 技術総括の中村真二氏は、「ドローン検知システムは全方位カメラ、全方位マイクのノウハウを活用したもの。監視システムにおけるセキュア技術は、Symantecとの協業による成果のひとつであり、監視カメラのセキュリティレベルを数段上げることができる。インテリジェント映像監視技術は、犯罪を未然に防ぐことに加えて、監視以外にも活用できる提案だ」と語った。

パナソニック システムネットワークス セキュリティシステム事業部 技術総括 中村真二氏
パナソニック システムネットワークス セキュリティシステム事業部 技術総括 中村真二氏

飛行音でドローンを検知

 ドローン検知システムは、約300m先から飛来するドローンを確認できるシステムだ。

 パナソニックが長年培った音声処理と映像監視の技術を活用。32個の無指向性マイクを円形に配置したアレイマイク構成の「集音マイク」で飛来音を検知。ドローン特有のローター回転音、風切音などを全方位マイクで検知する。32個のマイクへの入力音信号が特定方向に対して位相が揃う条件で信号加算し、ドローンの飛行音があれば、信号強度が上昇し、検知する仕組みとなっている。

 旋回やチルト、ズーム機能を搭載したIP網対応の監視カメラシステムとの連携でマイクで飛来音を検知した後、ドローン機体をカメラの映像で確認、動きを追尾できる。

 ドローンは、人が近付けなかった危険地帯の観測や災害現場の状況把握のほか、農業での利用や宅配サービスでの可能性など、さまざまな利活用が実施、検討されている。その一方で、悪意を持った運用も想定され、特に重要施設や多くの人が集まるイベント会場などで予期せぬドローン飛来への対応が喫緊の課題となっている。

 同社は「無人飛行であるために持ち主が特定しにくい、改造が容易で悪用が簡単だという特徴がある。ドローンへの対策については、妨害、捕獲、撃墜といった対策があるが、パナソニックでは、ドローンの存在を素早く検知して、可視化することを目的としている」と説明している。

ドローン検知システムの全方位カメラと全方位マイク
ドローン検知システムの全方位カメラと全方位マイク

 「従来は100~200m先まで検知していたが、マイクの数を増やし、マイクの口径を広げることで感度を高めて、環境騒音レベルの46dbで、300m先まで検知できる。これは静かな住宅街や河原などでの環境を想定した騒音レベル。各マイクに到達する時間のズレをもとに信号の位相差を解析することで音源方向を特定。32チャンネルのマイク信号の高精度な解析で高い方向検知分析が可能になる。専門知識を持たなくても、用途にあわせてシステムを柔軟に構築できるのも特徴だ」

 設置場所の騒音環境を視覚的に把握し、より検知精度を高められる「ヒートマップ」機能も搭載。設置する場所の騒音環境を視覚的に把握できるほか、ドローンが飛来する可能性がある区域以外を検知エリアから除外することでノイズ源の影響を低減。飛来するドローンをより早期に検知できる。官公庁や警備会社をはじめ、機密保持が必要な企業や団体などに提供していくという。

IoT時代にカメラは重要なセンサ

 監視システムにおけるセキュア技術は、監視カメラやレコーダーに対する脅威への対策を図るものとなる。

 セキュリティシステム事業部 ソフトウェア技術部 設計3課長の野口英男氏は「監視カメラでもセキュリティの脅威がある。監視カメラやレコーダーへの不正侵入でシステム停止が発生したり、監視カメラが踏み台となって重要施設を攻撃したり、監視映像からプライバシー情報が漏洩したりといった問題もある。録画映像を改竄するという課題も発生している。映像データの暗号化や映像データへの署名、通信経路の暗号化、脆弱性対策などで監視カメラやレコーダーの映像を守ることができる」と説明した。

パナソニック システムネットワークス セキュリティシステム事業部 ソフトウェア技術部 設計3課長 野口英男氏
パナソニック システムネットワークス セキュリティシステム事業部 ソフトウェア技術部 設計3課長 野口英男氏

 これらの技術は、2015年に発表したSymantecとの協業によるものだ。データベースに基づいた脆弱性診断、対策で不正データの大量送信による機器の停止などに対応する。脆弱性を識別するための情報である「CVE(Common Vulnerabilities and Exposures)」を監視カメラに持ち込むことでPCやサーバと同等のセキュリティレベルを実現する。

 通信傍受を防ぐために、SymantecによるSSLサーバ証明書を工場出荷の段階で監視カメラにインストール。これにより、機器内で鍵を生成し、安全な環境を構築する。第三者機関としてのSymantecの証明書発行システムを活用できるようになる。

 映像データの暗号化と署名でプライバシー保護や証拠性も向上させているという。高性能暗号モジュールを使用することで映像生成段階で暗号化し、データを保護する。Symantecの証明書を利用することで映像の出所を保証し、改竄も防止できるという。

 「IoT時代では、カメラは重要なセンサであり、カメラの利用範囲が拡大することになる。継続的なセキュア性の向上に取り組む」(野口氏)

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