フリーのエンジニアが企業でマネジメントを担う時代へ - (page 2)

野本纏花

2016-03-26 07:00

フリーランスエンジニアの生き方

——では次に、企業から依頼を受けるフリーランス側の現状についてお伺いします。企業との契約は、どのような形になるのでしょうか?

 弊社の場合ですと、基本的には業務委託契約になり、契約した時点で契約期間は区切られています。

——フリーランスの方が案件を選ぶ際には、どういったことを重視していますか?

 希望としてよく耳にするのは、「お金」「スキルを生かせるか」「融通が利くか」の3つ。中でも最近は融通が利くかを重視する傾向にあります。

——その企業の案件だけでなく、他にもプロジェクトをお持ちだからということですか?

 そういうケースももちろんありますが、フリーランスになった方の中には、正社員で働いていたときに激務で身体を壊してしまったという方もいらっしゃって、作業は作業としてきちんとやる一方、プライベートの時間もしっかり取りたいというケースもあります。

——なるほど。他にプロジェクトをお持ちの方は、どんなことをされているのですか?

 例えば、ご自分でサービスやゲームを作っていたり、昔から付き合いのある企業からシステムの運用を任されていたり。自分の会社を立ち上げるための準備をされている方もいたりして、さまざまな事情をお持ちです。

——フリーランスの方が参画したプロジェクトを気に入って、中途入社したいと希望を出すケースはありますか?

 かなりまれだと思います。よほど本人のモチベーションが高くない限り、フリーランスから社員に戻るということはないですね。

——逆に、企業から引き止められるケースは?

 それは多いです。契約期間が終了に近づき、企業側は「継続してほしい」と希望を出していても、フリーランス側が「次を探したい」とお断りされるケースも結構あります。

——やはりフリーランスは企業への帰属意識は低いのですね。

 帰属意識という点では社員の方が高いことの方が多いですね。ただスキルの差が大きく、成果物の品質についてはフリーランスの方のほうが高いケースも多いと思います。フリーランスの方は、帰属意識によって、“プログラミングの品質”や“成果をあげるスピード”が左右されることは、あまりありませんから。「淡々と作業していても、サラッと良いものが上がってくる」という話は、よく聞きます。プロ意識が高く、モチベーションに左右されにくいと言えます。

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