Magenicの最高技術責任者(CTO)であり、「CSLA.NET」という開発者向けフレームワークを開発したRockford Lhotka氏はブログ投稿で、「Xamarinの全面的な採用を阻んでいる大きな壁はコストにある。開発者当たり2000ドルというのは、ほとんどのシチュエーションにおいて手が出ない価格であるため、『Visual Studio Tools for Apache Cordova』のような生産性と堅牢さに劣る製品を採用することになる。しかし、既存のMSDNの一部としてクロスプラットフォーム対応の.NETが皆に行き渡るようになると状況は一変し、.NETの採用が増えていくはずだ」と述べている。
Mando GroupのテクニカルストラテジストGary Pretty氏によると、「Xamarin.Forms」がどのように発展していくのかというのも目が離せないもう1つの鍵だという。
Xamarin.FormsはWindowsやiOS、Androidを横断して共有できるユーザーインターフェースを構築するためのクロスプラットフォーム対応ツールキットだ。Xamarinは、Xamarin.Formsの機能として、UWPアプリを構築する能力を実現している。これは現在プレビュー段階であり、まもなく一般提供されるはずだ。
Pretty氏は「(Xamarin.Formsの)UWPアプリ構築機能がプレビュー段階を脱した暁には、パズルを完成させるうえで長い間待ち望まれていた最後のピースとなるはずだ」と述べたうえで、「今までXamarinはC#を用いてiOSアプリとAndroidアプリを構築するプロジェクトタイプ(Xamarin.iOSとXamarin.Android)を有していた。その後、Microsoftのエコシステム内でMicrosoftのツールを使用してUWPアプリを記述できる能力が実現されたが、そこでもC#が採用された。最終的にこれら3つのプラットフォームすべてをサポートするXamarin.Formsが提供されるだろう。そうなると開発者は特定のプラットフォームや複数のプラットフォームを同時にターゲットにできるようになる」と続けた。
Build 2016カンファレンスでは、より多くの開発者を「Windows 10」向けアプリの開発に向かわせるための同社の計画が聞けるのは間違いない。しかし同社経営陣にとってより優先度の高い事項は、クロスプラットフォームとAzureで開発者の心を捉えるということのようだ。この使命を達成するうえでの最重要事項は、Microsoftのクロスプラットフォームフレームワークと、開発ツール、データベース戦略の充実を具現化することだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。