マイクロソフト、Azureで動くクラウドファーストの「Dynamics AX ERP」をリリース

Mary Jo Foley (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2016-03-10 11:16

 Microsoftは米国時間3月8日、最新の「Dynamics AX ERP」をサービスとして公開した。40言語に対応、世界137以上の市場で提供を開始する。

 最新のDynamics AX ERPは単に「Windows Server」仮想マシンでホスティングするDynamics AXではなく、クラウドファーストのAzureサービスとして完全に再構築したものとなる。

 Dynamics ERPアズ・ア・サービスは「Azureでできることの最前線」だとDynamics ERPのテクニカルフェローを務めるMike Ehrenberg氏は言う。つまり最新のAXリリースでは、「Azure SQL」「Power BI」「Office 365」「Dynamics CRM Online」それにAzureのディザスタリカバリー機能が統合した形で含まれている。

 だが筆者が最も興味深いと思ったのは次の点だ。最新のDynamics AXは「クラウド生まれ」とMicrosoftが表現するように、次期オンプレミス版はWindows Serverでは動かないという。2016年後半に予定しているオンプレミス版では、Microsoftのハイブリッドクラウド運用環境である「Azure Stack」が必要となる。Azure Stackは、エンタープライズ顧客がデータセンターでAzureライクな体験を得られるよう意図したものだ。

 このほか、HTML5で作成されたタッチ対応のUIを導入しており、任意のモダンな端末とブラウザ上で動かすことができる。Microsoftは最新のDynamics AXをCortanaに統合しており、ユーザーは音声によりアプリを操作できる。新しいユーザーのトレーニングのためにユーザーが一連のビジネスプロセスステップを記録できる「タスク記録」機能も導入した。

 最新のDynamics AXは「アズ・ア・サービス」として構築されている。だがMicrosoftの開発者は、企業から敬遠されないようにアップデートを配信するにはどうすればよいのかを考え、プラットフォームレイヤを他のバンドルされたサービスから分離することにした。これにより、Power BIやSQL Serverなどはそれぞれのスケジュールでアップデートが行われ、土台となるAXプラットフォームはこれとは別にプッシュモデルでアップデートされる。管理者はこれを管理できるという。

 Dynamics AXサービスはサブスクリプションモデルで提供され、企業は直接または間接的にサービスにアクセスするユーザーの数だけサブスクリプションライセンスを購入する必要がある。サブスクリプションはユーザーベースかデバイスベースかを選択できる。


この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]