Microsoftは米国時間3月8日、最新の「Dynamics AX ERP」をサービスとして公開した。40言語に対応、世界137以上の市場で提供を開始する。
最新のDynamics AX ERPは単に「Windows Server」仮想マシンでホスティングするDynamics AXではなく、クラウドファーストのAzureサービスとして完全に再構築したものとなる。
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Dynamics ERPアズ・ア・サービスは「Azureでできることの最前線」だとDynamics ERPのテクニカルフェローを務めるMike Ehrenberg氏は言う。つまり最新のAXリリースでは、「Azure SQL」「Power BI」「Office 365」「Dynamics CRM Online」それにAzureのディザスタリカバリー機能が統合した形で含まれている。
だが筆者が最も興味深いと思ったのは次の点だ。最新のDynamics AXは「クラウド生まれ」とMicrosoftが表現するように、次期オンプレミス版はWindows Serverでは動かないという。2016年後半に予定しているオンプレミス版では、Microsoftのハイブリッドクラウド運用環境である「Azure Stack」が必要となる。Azure Stackは、エンタープライズ顧客がデータセンターでAzureライクな体験を得られるよう意図したものだ。
このほか、HTML5で作成されたタッチ対応のUIを導入しており、任意のモダンな端末とブラウザ上で動かすことができる。Microsoftは最新のDynamics AXをCortanaに統合しており、ユーザーは音声によりアプリを操作できる。新しいユーザーのトレーニングのためにユーザーが一連のビジネスプロセスステップを記録できる「タスク記録」機能も導入した。
最新のDynamics AXは「アズ・ア・サービス」として構築されている。だがMicrosoftの開発者は、企業から敬遠されないようにアップデートを配信するにはどうすればよいのかを考え、プラットフォームレイヤを他のバンドルされたサービスから分離することにした。これにより、Power BIやSQL Serverなどはそれぞれのスケジュールでアップデートが行われ、土台となるAXプラットフォームはこれとは別にプッシュモデルでアップデートされる。管理者はこれを管理できるという。
Dynamics AXサービスはサブスクリプションモデルで提供され、企業は直接または間接的にサービスにアクセスするユーザーの数だけサブスクリプションライセンスを購入する必要がある。サブスクリプションはユーザーベースかデバイスベースかを選択できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。