キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は3月23日、スマートフォンを利用したクラウド型の正規品判定サービス「C2V Connected」を3月から提供すると発表した。
商品に貼付または同梱したIDタグ「ConnectedTag」をスマートフォンで読み取り、インターネット経由で正規品かどうかを簡単に確認できるサービスで、世界税関機構(World Custom Organization、WCO)が提供する各国税関向けの模倣品対策ツール「IPM」との連携が可能。
料金は1枚あたり、QRコードタイプが5円から、RFIDタイプが50円から。ConnectedTagを購入した企業には、標準アプリケーションおよび正規品判定クラウドサービスが無償で提供される。同社では2020年までに売上50億円を目指すとともに、C2V Connectedの提供を通じて、模倣品被害の撲滅に貢献していくとしている。
(キヤノンITS提供)
C2V Connectedの名称は、消費者(Consumer)自らがスマートフォンで簡単に正規品判定(Verification)を行える機能をコアとすることに由来しているという。
同サービスは以下の3要素で構成される。
ConnectedTag
RFID、可変型QRコード、ユニークコード等、オンラインで認証できるID情報を持つタグの商品群で、シールタイプやカードタイプなどバリエーションも豊富で、サイズやデザインも柔軟な対応が可能。家電品、医薬品、高級品、飲食料品など、さまざまな製品に使用できる。表示言語も出荷先国向けに対応。
標準アプリケーション
スマートフォンでConnectedTagを読み取るだけで、簡単に正規品判定を行える機能を搭載。日本語、英語、中国語に対応。
正規品判定クラウドサービス
ConnectedTagを読みとった標準アプリケーションからの照会を受けて、正規品判定の結果を返すためのサービス。正規品判定の実績データなど、ログのダウンロードも可能。
なお、同サービスのコア技術は、佳能信息系統(上海)有限公司(キヤノンITS上海)が開発したもので、2013年から佳能(中国)有限公司(キヤノン中国)で、キヤノン製カメラの正規品判定に使用されている。製品外箱に貼られたNFC対応のRFIDタグ搭載の封かんシールに、消費者がスマートフォンをかざすだけで、正規品かどうか簡単に確認することが可能。キヤノンITS上海は、WCOとセキュリティソリューションプロバイダーとして日系企業初となるパートナーシップ契約を締結した。
同サービスによるメリットは以下の通り。
オンラインによる効率的な正規品判定
消費者には事前知識が必要なく、従来の目視判定に比べ、より簡単・正確・スピーディな判定が可能。導入企業にとっては、機密性の高い、真贋判定のための情報を公開する必要がなくなる。
判定時のデータを分析や戦略に活用可能
クラウド上に記録される正規品判定の実績データを導入企業に提供。これらの情報をマーケティング分析、模倣品対策戦略へ活用できる。
消費者とのコミュニケーションに活用可能
正規品判定時のスマートフォン画面から、消費者を企業のホームページやSNSへ誘導するなど、販促活動、消費者とのコミュニケーションへとつなげる機会を提供。
また当該事業者の商品の購入者だけでなく、IPMを使用している税関において、模倣品を防止したい事業者がC2V ConnectedとIPMの両方を利用し連携することで、当該税関の職員も簡単・正確・スピーディな正規品判定が可能。