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IT部門と事業部を「データ連携」させる--インフォマティカCEO - (page 2)

松下康之 山田竜司 (編集部)

2016-04-07 07:00

――InfomaticaはもともとETLのためのデータ連携ツールを開発していたが、それを非構造型のデータを扱うビッグデータ分析やクラウドとの統合という新しい領域、具体的にはHadoopやSparkといったオープンソースによるビッグデータの領域に拡げていると。

 はい。Hadoopに関してはHortonworks、MapR、Cloudera、Pivotal、IBM、AWSなどの有力なベンダーとは協力して製品を開発しています。Sparkに関しても新しい分析のためのエンジンとして利用できるように開発しています。オープンソースのコミュニティに対しても企業としてそれぞれのプロジェクトを通して還元しています。この辺りの新製品としてはまだコードネームのプロジェクトなのですが、「Sonoma」という製品を開発しています。

 これはビジネスユーザーにはポータルの形式でデータを分析するためのツールを提供し、IT管理者に対してはどのデータをどのようにデプロイするのかを選択するためのツールという位置付けになります。IT管理者にとってはどのデータが信頼できるのか、どのデータを誰にアクセスさせるのか、どのようなタイミングでデータが更新されるのか、などを設定するだけでウェブのUIから複数のデータを利用可能にする基盤になります。

――「Sonoma」は「データをプロビジョニングする」という発想がいわゆるクラウドコンピューティングにおいてサーバやアプリをプロビジョニングするのに似ている。機械学習に関してはどのような取り組みがあるのか。

 実際にSonomaの中でも機械学習の機能は組み込まれています。センサデータなどを使うような場合には機械学習は大変効果的だと考えています。これからも機械学習の機能の開発は進めていく予定です。

――データ仮想化についてはどうか。これはどのような位置付けの製品になるのか。

 データ仮想化は主にアプリケーションの開発時に利用されることを想定しています。プロトタイピングなどの際に検証のためにデータ仮想化は広く使われると考えています。

 特に素早くアプリケーションを開発したり、ビジネスユーザーがデータセットを実験的に確認するような際に価値があると思っています。これはわれわれのビッグデータ製品の中にも含まれていますし、Sonomaの中にも使われています。

――企業として株式を非公開にした理由は。

 これはIT企業として新しいチャレンジを行うためです。実際、非常に挑戦しやすくなったと言えるでしょう。公開企業であれば常に四半期での成績に関して市場からのプレッシャーがありますが、非公開になったことで新しいイノベーションを作る仕掛けにも注力できるわけです。これは公開企業でも当然できることですが、成績が上向かない時には非常に厳しい状況に追い込まれてしまいます。製品開発を長期的に実施するためにも非公開が役に立っています。

――今後の予想としてInformaticaとしてのチャレンジもしくはリスクとは。

 1つは市場がどのように変貌していくのかを注意深く見定めるという部分でしょう。マクロの視点だけではなくミクロの視点からもそれは重要です。データを必要とする市場はそのまま拡大する一方、市場にも対応しなければいけません。われわれは非常に複雑で高機能のソフトウェアを開発しようという野心的なプランをもっており、そのプランを実行していくことが大きなチャレンジだと考えています。

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