トヨタ自動車はMicrosoftと共同で新会社「Toyota Connected」を設立した。Microsoftのクラウドプラットフォーム「Azure」を利用してユーザー体験、製品開発、データサイエンスに注力するという。
多くの自動車会社がモビリティサービスなどにフォーカスした事業体を立ち上げており、Toyota Connectedの設立はこの動きに沿うものとなる。たとえば3月、FordはFord Smart Mobilityを設立しており、自社製自動車で利用できるサービスを構築するとしている。
トヨタによると、Toyota Connectedは「さまざまな消費者、法人、政府向けの取り組みをサポート」するという。最高経営責任者(CEO)には、同社の北米子会社Toyota Motor North Americaの最高情報責任者(CIO)であるZack Hicks氏が就任した。
Toyota ConnectedはMicrosoft Azureをデータサイエンスプラットフォームとして利用し、予測的でコンテキストに即したサービスを開発する。トヨタは目標を「運転体験を温もりのあるものにし、技術をバックグラウンドに隠すこと」と説明している。同社とMicrosoftは、以前からさまざまな面で提携関係にある。
Microsoftにしてみれば、トヨタとの協力は自動車メーカー向け戦略の重要な部分となる。Microsoftは当初、車載システムのOSを目指していたが、現在ではバックエンドのクラウドプロバイダー、それにビジネスモデル移行の支援者としての役割を推進している。売り上げや利益は後回しで、自動車メーカーにとって中立的な技術プロバイダーとなることでさらなる顧客獲得を目指す。自動車を開発していると憶測のあるGoogle、Appleと差別化する狙いだ。
Toyota Connectedはテキサス州プレイノに本社を置き、様々な情報を集約するトヨタ・ビッグデータ・センター(TBDC)の運用と、ビッグデータの研究、活用を行っていく。また、車載サービス、テレマティック、IoT関連の取り組み、安全、スマートシティへの統合なども受け持ち、トヨタのエコシステム間でのデータ共有も進めるという。
トヨタによると、Microsoftの技術者が、データ解析やモバイル技術などの広いエリアでToyota Connectedの業務をサポートしていくという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。