シスコシステムズは4月6日、社員100人以下の中小企業に向けたネットワーク機器のブランドである「Cisco Start」の強化を発表した。ルータやスイッチ、クラウドサービスといったStart製品を全国の販売パートナーから購入できるウェブサイト「Cisco SMBマーケットプレイス」を開設した。
SMBマーケットプレイスでは、ウェブ画面から購入したいネットワーク機器を選び、購入先の販売パートナーを選ぶと、3日位内に見積もりを得られる(図1)。サイト開設時点で選択可能な販売パートナーは全8社。これを50社ほどに拡充するとしている。

図1:SMBマーケットプレイスの概要

841M Jシリーズの外観
販売パートナーの紹介ページでは、販売対象の地域などの情報をもとに販売パートナーを選べる。販売パートナーは首都圏だけでなく全国に分布している。「Startに対する地方ユーザーからの反響が大きかった。販売体制を全国に広げる施策としてマーケットプレイスを企画した」(シスコ)
実際の価格は販売パートナーによって異なるが、マーケットプレイスの製品ページでは、実際の価格より若干高めの価格として、シスコシステムズによる希望(参考)小売価格を提示している。例えば、中核製品であるVPNルータ「Cisco 841M Jシリーズ」の場合、最安価モデルで4万9800円。
マーケットプレイスを利用する場合、販売パートナーに見積もりを取るスタイルになる。これとは別に、ECサイトを介して通販スタイルで購入したい場合は、NTTレゾナントのオンラインショップ「NTT-X Store」で購入できる。「全体の十数%はNTTレゾナント経由の販売が占めている」(シスコ)
ウェブ会議とウェブセキュリティもStartブランドで販売
今回さらに、既存の2つのクラウドサービスについてもStartブランドに組み入れた。ウェブ会議の「Cisco WebEx Meeting Center」と、ウェブセキュリティの「CiscoクラウドWebセキュリティ」だ。いずれも、ルータの841M Jシリーズとセットで購入することで安価にライセンスを購入できるキャンペーンを用意した。キャンペーンの終了時期は未定。
ウェブ会議のWebExは841M Jシリーズとセットで購入すると1ライセンス(25ユーザー)あたり年額3万7900円、最小構成(2ライセンス50ユーザー)で年額7万5800円で利用できる。これに対して、通常価格は、希望(参考)小売価格で1ライセンスあたり8万500円。ライセンス価格が半額以下になるので、ルータを使わなくてもルータとセットで買ったほうが安くつく。
もう1つのクラウドWebセキュリティは841M Jシリーズと組み合わせることを利用条件としたStart限定版を6月から販売する。ライセンス価格は、1ユーザーあたり年額3980円で、最小構成(25ユーザー)で9万9500円になる。
クラウドWebセキュリティは主に、危険なウェブサイトへのアクセスをブロックするウェブフィルタリング機能と、ウェブアクセスを介したウイルス感染を防止するウイルス対策機能を提供する。ウェブアクセスを仲介するプロキシ型の動作ではなく、その都度ルータからクラウドWebセキュリティに問い合わせる動作になる。