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山谷剛史の「中国ビジネス四方山話」

中国の若者「90后」--最新レポートを読み解く

山谷剛史

2016-04-12 06:00

 中国では、1990年代生まれの「90后(ジョーリンホウ)」の前半が社会人になっている。1990年生まれは現在25歳か26歳だから、大学院まで通わなければ、社会人になって何年か経っている。

 経済成長が著しく、身の周りのインフラやモノ、トレンドが目まぐるしく変わってきた中国では、世代間のギャップが日本とは比較にならないほど大きい。そのため、1970年代生まれで現在35~46歳の「70后(チーリンホウ)」と、現在25歳から36歳の「80后(パーリンホウ)」と、現在15歳から26歳の「90后」の違いを論じたレポートがたくさんある。最近では、これから消費の主役となっていく90后が注目されている。第一財経商業数据中心による調査レポートによると「80后に比べてオンラインショッピング利用額はまだまだ少ない」ものの、「オンラインショップ利用の頻度は高い」そうだ。彼らの多くはアルバイトもできない学生なので利用額が少ないのは当然だが、90后が社会人になり一定の収入を得るようになれば、ECサイトでの消費を牽引する世代となる。

 80后や70后はパソコンとスマートフォンを両方使うが、90后はスマホだけを主に利用している。日本でいうところの1976年前後に生まれ、PCから多くの情報を得てきた「ナナロク世代」と、携帯電話での操作がメインの「ハチロク世代」の構図によく似ている。スマホを利用するため、インターネット普及率は他の世代よりも高く、また利用時間も長い。しかし、詐欺が横行する中国のインターネット環境において、他の世代よりも「インターネットは安全」だと思っている割合も高い。インターネットへの依存度が高い世代だからこそ、スマートフォンでのオンラインゲームや動画サイトの利用時間は長く、ネットでの出会いやその先の結婚を肯定する割合も高い。

 仕事面ではどうか。90后はそれまでの世代と異なり、がむしゃらに働いてステップアップを目指すのではなく、定時で帰り自分の好きなことをやりたいという人が目立つという。中国には様々な「頑張る」に相当する言葉があるが、様々な言葉で「頑張る」絡みの言葉で検索しても、「90后は頑張らない。新入社員の90后よ、頑張れ」といった話が出てくる。調査結果以外でみても、やる気のない90后の新社会人はかなりいるようだ。

 価値観についても異なる。数年前から90后について、空気を読んで消費するのではなく、個性を大事にして、自分のフィーリングにあった消費をする傾向があると言われている(ちなみに、流れに従わず自分流でいくことは「非主流」という言葉で表現される)。そして興味深いことにそれまでの世代に比べ、90后は車のオンラインの購入に関心を持つ人が少ない(2015汽車消費行為調査より)。一人っ子世代で甘やかされて育ち、経済が成長し、家族の財布の具合もよくなり、何でも欲しいモノを買っている世代だが、車はそれほど欲しがらない。では車に興味がないのか、ブランドに興味がないのかというと、そうでもないようだ。車のオンライン購入に興味がない理由として「競争が少なくお得感がない」「車を買ったら指定場所まで引き取りに行くのが面倒」を挙げる人が、90后では多い。つまり近い将来、90后に向けて、よりオンラインでの車の販売システムが変化して競争が激しくなれば、業界が盛り上がる可能性はありそうだ。

山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター
2002年より中国雲南省昆明市を拠点に活動。中国、インド、アセアンのITや消費トレンドをIT系メディア・経済系メディア・トレンド誌などに執筆。メディア出演、講演も行う。著書に「日本人が知らない中国ネットトレンド2014 」「新しい中国人 ネットで団結する若者たち 」など。

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