IDC Japanは4月12日、2015年の国内エンタープライズストレージシステムの売上額実績を発表した。2015年の国内エンタープライズストレージシステム売上額は2720億2300万円で、前年比7.0%増となった。

国内エンタープライズストレージシステム売上額: 2010年~2015年(IDC提供)
IDCでは、エンタープライズストレージシステムとして外付型、サーバ内蔵型、ODM Directに分類して集計している。2015年の国内エンタープライズストレージシステム売上額の内訳は、外付型が2016億3200万円(構成比74.1%)、サーバ内蔵型が585億1400万円(同21.5%)、ODM Directは118億7700万円(同4.4%)だった。まだODM Directは規模が小さいものの、グローバルクラウドサービスプロバイダーの国内拠点のほか、国内クラウドサービスプロバイダーでも導入が進みつつあるという。
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外付型エンタープライズストレージシステムについては、2015年の国内売上額が前年比7.4%増の2016億3200万円となった。さらに、外付型の内訳をセグメント別にみると、メインフレーム向けが335億3200万円(前年比26.9%増)、UNIX、Windows、Linuxなどのオープンシステムとその他OS向けが1681億円(同4.2%増)だった。
メインフレーム向けは、年間を通して金融と官公庁で大型案件があり、これが前年比二ケタ増の高成長につながった。一方、オープンシステム/その他OS向けは、サーバ仮想化やVDI(Virtual Desktop Infrastructure)などの仮想化環境向け、クラウドインフラ向けで需要拡大が続いている。また、オープンシステム/その他OS向けでは、フラッシュデバイスのみを搭載したオールフラッシュストレージが本格的な成長を始めたことが貢献しているとした。
また、同時に発表された2015年第4四半期(10月~12月)の国内エンタープライズストレージシステム売上額は、前年同期比4.8%増658億8900万円となった。内訳は外付型が506億7500万円(構成比76.9%)、サーバ内蔵型が127億5500万円(同19.4%)、ODM Directは24億5900万円(同3.7%)。
なお、上記のエンタープライズストレージシステム市場規模の算出には、ベンダー出荷額にマージンを加算した売上額を使用している。2015年の国内外付型エンタープライズストレージシステム出荷額は1920億3000万円で、サプライヤー別出荷額の上位5社は日立製作所(17.6%)、富士通(16.7%)、EMC(14.7%)、IBM(11.4%)、NEC(9.5%)だった。
同社エンタープライズインフラストラクチャ/PCs グループディレクターの森山正秋氏は、「2015年はメインフレーム向けの大型案件が市場の成長に貢献した。一方で、オープンシステム向けではハイエンドからミッドレンジへのシフトが進み、オールフラッシュアレイが高成長を記録するなど成長領域の変化が明確になった」とコメントしている。