中国Huaweiは4月11日、オールクラウド(All Cloud)戦略を発表した。経営戦略説明会「第13回グローバル・アナリスト・サミット」の場で、輪番CEO兼取締役副会長の徐直軍氏が示したもので、製品とソリューションの完全なクラウド化を推進、牽引していくとともに、今後数年にわたる顧客のビジネスの成功を支援していくという。
オール・クラウド(All Cloud)戦略について説明するファーウェイ輪番CEO兼取締役副会長の徐直軍氏
このオール・クラウド戦略の中核は、ICTインフラを機器、ネットワーク、サービス、運用の4つの面で再構築することにあるという。本戦略では、ハードウェアのリソースプール、完全に分散化されたソフトウェアアーキテクチャ、フルオートメーションを通じ、システマチックな優位性を生み出すことを目指す。また、ネットワーク全体をデータセンター中心型のアーキテクチャにシフトし、あらゆるネットワーク機能やサービス、アプリケーションをクラウドデータセンター上で稼働させるとしている。
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同社では今後、「お客様志向を堅持し、お客様を成功に導く」ことを、あらゆる戦略の基礎とし、3つの事業分野における成長戦略を以下のように定義する。
通信事業者向けネットワーク事業
前年のグローバル・アナリスト・サミットで、優れたユーザー体験を定義するモデルとして提案した、「ROADS(Real-time、On-demand、All-online、Do it Yourself、Social)体験」の提供に向けて、エンドツーエンドのネットワークコーディネーションやオーケストレーションを実現し、完全なクラウド化を進めていく。特に、クラウドベースのIoT、動画サービス、クラウドサービスプラットフォームを開発することで、新たな商機をつかんでいく。また、運用システムのクラウド化を推進し、通信事業者がアジャイルな事業運営を通じて競争優位を確立するお手伝いをしていく。さらに、SDNとNFCの両技術を活用し、ネットワークインフラストラクチャとITインフラストラクチャのクラウド化を加速し、オートメーション、柔軟性、拡張性をより一層高めていく。
法人向けICTソリューション事業
クラウドコンピューティング、SDN、ビッグデータ技術を活用し、顧客企業がよりアジャイルでスマートな事業運営を実現できるよう、デジタル化を支援していく。これに向けて以下の3つの側面から取り組む。
- 企業のITシステムをクラウドに移行するよう働きかけることで、無駄のないリソース活用と効率性向上を目指す。
- 企業ネットワークのSDN への移行を加速させ、統合SDNコントローラにより、通信、企業、データセンターの各ネットワークを統合して一元化し、プロセス全体をアジャイルに運用する。
- ビッグデータを活用し、スマートエンタープライズを実現する。
コンシューマー向け端末事業
本事業では、ブランド、品質、ユーザー体験、そしてエコシステムの構築が持続的な成長に最も重要であるとした。そのため、顧客からみて高品質なブランドイメージを構築、グローバルなサービス体制と中核となるサービス能力を築き、独自の競争優位となるサービスを構築していく。そして消費者のユーザー体験を中心に据えたエコシステム構築のために将来を見据えた投資を実施し、これを成長の軸としていく。こうしたエコシステムが、業界から最良のリソースを集約し、自社製品のユーザーに優れた体験を提供するための土台となるだろうとした。