独立行政法人の情報処理推進機構(IPA)はアイルランドの研究機関Innovation Value Institute(IVI)と相互協力協定を締結した。IPAのIT人材育成のフレームワーク「i コンピテンシ ディクショナリ(iCD)」とIVIの「IT-CMF(IT Capability Maturity Framework)」の連携を深める。IVIは、アイルランド国立大学Maynooth校とIntelが共同で設立したテクノロジに関する非営利の研究機関。
IT-CMFは、ITがビジネスに貢献するという観点に重きを置き、主に最高情報責任者(CIO)などITの意思決定者を対象に企業や組織のIT能力成熟度を測定、改善するためのフレームワーク。企業のIT能力成熟度を測るツールとして、主にCIOなどに求められる能力を整理、体系化したもの。すでに米国や欧州を中心に一部の日本企業などをあわせて90以上の組織で活用されているという。
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(5)IT部門に求められるスキルが変化している
iCDは、組織内のIT人材育成に活用できるツールとして、IT人材に求められる業務(タスク)とスキルを「タスクディクショナリ」「スキルディクショナリ」として整理、体系化したもの。
IPAとIVIの相互協力協定では、それぞれが提供するiCDとIT-CMFを相互に補完し、互いの連携や協力関係を深めていくことを目的としている。具体的には、IPAはCIOに求められる能力をIT-CMFから補完することでiCDを拡充できると考えており、国際的に活用されているIT-CMFとの連携関係を構築することでiCDの国際的な普及展開、認知度向上を図っていきたいと考えているという。
IVIは、iCDで整理、体系化されたIT人材に求められるタスクやスキルをIT-CMFに補完し、IT-CMFを拡充していくことを目的としている。

IPAとIVIの相互協力協定締結の目的(IPA提供)